研究課題
本年度は三力年の初年度であり、アメリカや韓国といった国外事例の聞き取り調査や資料収集、国内についても大阪府泉南地域や兵庫県尼崎市といった事例の聞き取り調査や資料収集、ゲストスピーカーによる講演会や資料の解説といった研究会活動を中心的に行った。これらの成果については次年度以降に順次とりまとめていくことになる。本年度の成果物として、まず小幡範雄「日本のアスベスト問題と補償・救済」がある。日本のアスベスト問題の特徴ならびにアスベスト対策の経緯を整理した上で、2006年3月27日に成立に至ったアスベスト新法における救済にかかる補償や責任・費用負担についての課題、複合型ストック公害としての健康被害発生までの期間の長さやアスベスト使用建築物解体に係る課題の検討を行った。そして、総合的な政策的合意づくりへの課題を結としている。この論文は本研究プロジェクトの序章と言える。次に、宮本憲一「環境被害と責任論-水俣病からアスベスト災害へ」がある。環境被害における責任論の構築の必要性を論じるなかで、複合型ストック災害・公害としてアスベスト問題の責任論を検討している。また、本研究プロジェクトの研究協力者による実績として南慎二郎「産業災害・公害としてのアスベスト問題-大阪泉南地域を事例として」がある。本研究プロジェクトによる大阪府泉南地域の聞き取り調査ならびに入手資料を活用して、同地域のアスベスト問題の特徴と課題について検討している。本年度はまだ研究成果を十分に発表出来る段階では無く、研究実績は以上の様になっている。
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環境と公害 36巻3号
ページ: 2-8
第二回 政策系大学・大学院研究交流大会学術会議録 京都・都市政策プローシーディングス
ページ: 125-132
経済 131
ページ: 72-81