研究課題/領域番号 |
18310038
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三谷 啓志 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (70181922)
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研究分担者 |
尾田 正二 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 講師 (50266714)
石川 智子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助手 (70402922)
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キーワード | 放射線 / ストレス / 遺伝子 / 遺伝学 / 動物 |
研究概要 |
RIC1は、ゲノムワイド突然変異の大規模スクリーニング実験により単離された放射線高感受性変異体メダカ(Oryzias latipes)であり、変異体胚細胞はDNA二本鎖切断修復機構に異常があることが示唆されている(Aizawa et al.2004)。本研究では、ric1から樹立した胚体由来培養細胞株を樹立した。この細胞ではDNA2本鎖切断の修復が野生株と比べて遅延していた。γ線によって誘発される形態変化のtime-lapse観察を行い、アポトーシスにおける細胞死を形態的に解析したところ、RIC1細胞では断片化を伴う細胞死が起こさなかった。γ線を照射した場合、RIC1細胞は照射直後からの分裂遅延は正常であったが,その後G1期、G2期の細胞数に変化は見られなかったことから、G2-M期とG1期チェックポイントが活性化していることが示唆された。 生殖細胞特異的に発現するvasa遺伝子の発現制御領域を用いて緑色蛍光蛋白質(GFP)遺伝子を生殖細胞特異的に発現するolvas-GFP系統とRIC1変異体を交配させ、放射線高感受性生殖細胞を生体観察できるric101vas-GFP系統を新たに作製した。この系統では、始原生殖細胞が増殖している卵割期の32細胞期胚ですでに生殖細胞が放射線高感受性であった。また生殖腺移行後の分裂開始期にあたる血流開始期に孵化率に影響を及ぼさない低線量を照射した場合の生殖細胞放射線感受性が発生段階で大きく異なることが分かった。 TILLINGのためにLight Scannerを用い低コスト、ハイスループット化を実現できた。 ATMはゲノムデータベースを利用し、エキソン、イントロン構造を決定し、エクソン全体を増幅できるようにPCRプライマーを設計し変異体スクリーニングを進めている。DNA-PKc sに関してはPCRプライマーの設計まで完了している。
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