高LET粒子放射線低フルエンス照射に対する生物影響研究のうち、生じた生物効果に対するバイスタンダー効果誘導研究は、238Puから放出されるアルファ線又はヘリウムイオンマイクロビームを用いた研究が先行しており、ヘリウムよりも原子番号の大きな核種のイオンビームや低LET放射線である電磁波放射線マイクロビームを用いた研究は、全世界的に見ても殆ど行われていない。本研究課題においては、ヒト培養細胞を用いた細胞レベルの生物効果に対する放射線誘発バイスタンダー効果の放射線の線質依存性(粒子放射線と電磁波放射線、加速イオン種とLET依存性)とその誘導メカニズムの解明を、線質の異なる放射線のマイクロビーム(ヘリウム、炭素、ネオン、アルゴンなどの重粒子線、プロトン、X線)を明らかにする。
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