マイクロビームにおけるクロマチン損傷誘発バイスタンダー効果のイオン種・LET依存性

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18310042
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 放射線・化学物質影響科学
• 研究機関: 独立行政法人放射線医学総合研究所
• 研究代表者: 鈴木 雅雄 独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, 主任研究員 (70281673)
• 研究期間 (年度): 2006 – 2009
• キーワード: 粒子放射線 / マイクロビーム / バイスタンダー効果 / 細胞間情報伝達機構 / ギャップジャンクション

研究概要

バイスタンダー効果で非照射細胞に誘導される細胞損傷を明らかにするため、ヘリウムイオン照射で生成されるクロマチン損傷をヒト正常上皮性細胞を用いて直接照射細胞と非細胞に分けて解析した。直接照射された細胞には、低LET放射線で観察される軽微な損傷に加えて高LET放射線で観察される重篤な損傷が生成された。一方、直接照射細胞の近傍にある非細胞には、低LET放射線で観察される軽微な損傷しか生成されなかった。

研究成果

• [雑誌論文] Radiation-quality dependent cellular response in mutation induction in normal human cells. (2009)
  • 著者名/発表者名: M. Suzuki, C. Tsuruoka, Y. Uchihori, H. kitamura, C.H. Liu
  • 雑誌名: J. Radiat. Res. 50 ページ: 395-399
  • 査読あり
• [雑誌論文] The influence of mutation induction in normal human fibroblasts irradiated with X rays and Iron ions. (2009)
  • 著者名/発表者名: C. Tsuruoka, M. Suzuki, Y. Furusawa, K. Anzai, R. Okayasu
  • 雑誌名: Biol. Sci. Space. 23 ページ: 55-60
  • 査読あり
• [雑誌論文] Dose distribution of a 125 keV mean energy microplanar x-ray beam for basic studies on microbeam radiotherapy. (2008)
  • 著者名/発表者名: Y. Ohno, M. Torikoshi, M. Suzuki, K. Umetani, K. Uesugi, N. Yagi
  • 雑誌名: Medical Physics 35(7) ページ: 3252-3258
  • 査読あり
• [雑誌論文] Repair of I-SceI Induced DSB at a specific site of chromosome in human cells: influence of low-dose, low-dose-rate gamma-rays. (2008)
  • 著者名/発表者名: F. Yatagai, M. Suzuki, N. Ishioka, H. Ohmori, M. Honma
  • 雑誌名: Radiat. Environ. Biophys. 47 ページ: 439-444
  • 査読あり
• [雑誌論文] The difference in LET and ion species dependence for induction of initially measured and non-rejoined chromatin breaks in normal human fibroblasts. (2008)
  • 著者名/発表者名: C. Tsuruoka, M. Suzuki, M.P. Hande, Y. Furusawa, K. Anzai, R. Okayasu
  • 雑誌名: Radiat. Res. 170 ページ: 163-171
  • 査読あり
• [雑誌論文] Single extreme low dose/low dose rate irradiation causes alteration in lifespan and genome instability in primary human cells. (2007)
  • 著者名/発表者名: M. Okada, A. Okabe, Y. Uchihori, H. Kitamura, E. Sekine, S. Ebisawa, M. Suzuki, R. Okayasu
  • 雑誌名: British Journal of Cancer 96 ページ: 1707-1710
  • 査読あり
• [雑誌論文] Mutation induction in cultured human cells after low-dose and low-dose-rateγ-ray irradiation: Detection by LOH analysis. (2007)
  • 著者名/発表者名: Y. Umebayashi, M. Honma, M. Suzuki, H. Suzuki, T. Shimazu, N. Ishioka, M. Iwaki, F. Yatagai
  • 雑誌名: J. Radiat. Res. 48 ページ: 7-11
  • 査読あり
• [学会発表] 放射光単色x線マイクロビームによるヒト正常細胞の致死と遺伝子突然変異に対するバイスタンダー効果解析。 (2010)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、鶴岡千鶴、宇佐美徳子、古澤佳也、小林克己
  • 学会等名: 第27回PFシンポジウム
  • 発表場所: つくば市
  • 年月日: 20100309-20100310
• [学会発表] X線スリット状マイクロビームに対する細胞致死効果の回復現象とp53遺伝子に関係したバイスタンダー効果。 (2009)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、取越正己、大野由美子、菓子野元郎、鶴岡千鶴、八木直人、梅谷啓二、劉翠華、浜田信行
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第52回大会
  • 発表場所: 広島市
  • 年月日: 20091100
• [学会発表] Relationship between cell-killing and p53-dependent bystander effects in human cells induced by X-ray microplanar beams. (2009)
  • 著者名/発表者名: Masao Suzuki, Genro Kashino, Chizuru Tsuruoka, Yoshiya Furusawa
  • 学会等名: 第68回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜市
  • 年月日: 20091000
• [学会発表] Radio-adaptive response in normal human cells induced by protons. (2009)
  • 著者名/発表者名: Masao Suzuki, Chizuru Tsuruoka, Cui Hua Liu
  • 学会等名: 日本宇宙生物科学会第23回大会
  • 発表場所: つくば市
  • 年月日: 20091000
• [学会発表] x線スリット状マイクロビーム照射で誘導される致死効果に対するバイスタンダー効果の細胞種依存性。 (2009)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、取越正己、大野由美子、鶴岡千鶴、菓子野元郎、八木直人、梅谷啓二、劉翠華
  • 学会等名: 第48回日本医学放射線学会生物部会学術大会
  • 発表場所: 富山
  • 年月日: 20090700
• [学会発表] Dependence in bystander cellular responses in mutation induction on normal human fibroblasts induced by the pre-treatment with different radiation types. (2009)
  • 著者名/発表者名: Masao Suzuki, Chizuru Tsuruoka, Hisashi Kitamura, Cui Hua Liu, Yukio Uchihori
  • 学会等名: 第二回アジア放射線連合会議(2nd Asian Congress of Radiation Research)
  • 発表場所: 韓国ソウル
  • 年月日: 20090500
• [学会発表] ヒト正常細胞の突然変異誘発における適応応答の放射線線質依存性。 (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、鶴岡千鶴、内堀幸夫、北村尚、劉翠華
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第52回大会
  • 発表場所: 北九州
  • 年月日: 20081100
• [学会発表] Difference in bystander cell-killing effect between normal and tumor cells irradiated with carbon-ion beams. (2008)
  • 著者名/発表者名: M. Suzuki, C. Tsuruoka, Y. Furusawa
  • 学会等名: 第67回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 20081000
• [学会発表] マイクロビーム放射線照射法を利用した低フルエンス照射に対するヒト正常細胞の生物効果のバイスタンダー効果。 (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、古澤佳也、鶴岡千鶴、劉翠華、小西輝昭、舟山知夫、宇佐美徳子、深本花菜、横田裕一郎、浜田信行、小林泰彦、小林克己
  • 学会等名: 日本宇宙生物科学会第22回大会
  • 発表場所: 奈良
  • 年月日: 20080900
• [学会発表] 炭素イオンで誘発されるバイスタンダー細胞致死効果のヒト正常細胞とがん細胞の違い (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、鶴岡千鶴、安田仲宏、小西輝昭、北村尚
  • 学会等名: 第47回日本医学放射線学会生物部会学術大会
  • 発表場所: 高知
  • 年月日: 20080600
• [学会発表] スリット状x線マイクロビームに対するバイスタンダー効果の正常細胞とがん細胞に違い。 (2008)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、取越正己、大野由美子、八木直人、梅谷啓二、鶴岡千鶴、石川顕一、小山田敏文、夏堀雅宏、古澤佳也
  • 学会等名: 第21回日本放射光学会年会
  • 発表場所: 滋賀
  • 年月日: 20080100
• [学会発表] 粒子放射線低フルエンス照射によって誘導される突然変異誘発効果の増強とバイスタンダー効果。 (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、鶴岡千鶴、内堀幸夫、北村尚
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第50回大会
  • 発表場所: 千葉
  • 年月日: 20071100
• [学会発表] Bystander cell-killing effect induced by X-ray microplanar beams generated with synchrotron radiations. (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、古澤佳也、取越正己、大野由美子、鶴岡千鶴、八木直人、梅谷啓二、小西輝昭、小山田敏文、夏堀雅宏
  • 学会等名: 第66回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 20071000
• [学会発表] 炭素イオンと鉄イオンで誘導される生物効果のバイスタンダー効果の違い。 (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、鶴岡千鶴、安田仲宏、小西輝昭、北村尚
  • 学会等名: 日本宇宙生物科学会第21回大会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20070900
• [学会発表] 放射光x線スリット状マイクロビームによるヒト培養細胞の致死効果に対するバイスタンダー効果。 (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、古澤佳也、取越正己、大野由美子、鶴岡千鶴、八木直人、梅谷啓二、小西輝昭、小山田敏文、夏堀雅宏
  • 学会等名: 第46回日本医学放射線学会生物部会学術大会
  • 発表場所: つくば
  • 年月日: 20070700
• [学会発表] Radiation-quality dependence of genomic instability in mutation induced by the pre-treatment with low-fluence heavy ions. (2007)
  • 著者名/発表者名: M. Suzuki, C. Tsuruoka, Y. Uchihori, H. Kitamura
  • 学会等名: 13th International Congress of Radiation Research
  • 発表場所: San Francisco
  • 年月日: 20070700
• [学会発表] 炭素イオンマイクロビームで誘導されるヒト正常細胞の生物効果のバイスタンダー効果。 (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、古澤佳也、鶴岡千鶴、舟山知夫、坂下哲哉、柿崎竹彦、深本花菜、浜田信行、原孝光、小林泰彦
  • 学会等名: 第2回高崎量子応用研究シンポジウム
  • 発表場所: 高崎
  • 年月日: 20070600
• [学会発表] スリット状x線マイクロビームに対するヒト培養細胞の致死効果とバイスタンダー効果。 (2007)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、鶴岡千鶴、取越正己、大野由美子、八木直人、小西輝昭、夏堀雅宏、小山田敏文、梅谷啓二、篠原邦夫、古澤佳也
  • 学会等名: 第20回日本放射光学会年会
  • 発表場所: 広島
  • 年月日: 20070100
• [学会発表] 線質の異なる放射線低線量照射によって誘導される細胞応答の違い。 (2006)
  • 著者名/発表者名: 鈴木雅雄、鶴岡千鶴、内堀幸夫、北村尚
  • 学会等名: 日本宇宙生物科学会第20回大会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 20060900