研究分担者 |
小平 美江子 財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 副主任研究員 (60344412)
佐藤 康成 財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 研究員 (30393424)
檜山 英三 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 教授 (00218744)
檜山 桂子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (60253069)
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研究概要 |
我々は原子爆弾放射線の継世代的影響をゲノムレベルで調査している。すなわち、被爆者の子供で対照群に比べて、突然変異頻度が有意に増加しているか否かを染色体DNAを試料として調べている。ゲノムワイドに新規突然変異を検索する方法としてマイクロアレイを基盤として用いた競合ハイブリダイゼーション(いわゆる、アレイ-CGH)法を導入した。そのシステムを確立するために、被爆者の子供(80名)を用いた、試行調査を実施した。その結果は、我々が確立した実験条件を用いれば、ヒトゲノム上のコピー数の増減を効率良く同定できることを証明した。本年度、その結果はAnnals of Human Genetics,79,193-204,2008に発表した。また、アレイからもたらされる膨大な数のデータを効率良く解析するためのコンピュータソフトを改訂した。この改良した方法を用いて、1グレイ以上の放射線に被曝した親より生まれた子供、225名のゲノムを調べた。アレイは約2,500のBAC(Bacterial Artificial Chromosome)クローンを有するものを使用した。すでに集団調査は終了した。その結果、コピー数の増幅、欠失を有する変異体候補が多数同定された。これら変異型候補は、放射線の継世代影響を検討するための重要な資源となると考えている。これを調べることにより、突然変異率が被爆群で対照群に比べて増加しているか否の結論が得られる可能性があるものと期待している。
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