研究概要 |
【実験1】以前の降旗らの結果から約100遺伝子を選び、鈴木らのAffymetrix GeneChipの結果から約20遺伝子を足して、合計120遺伝子について約45merのDNA probeを設計、作製してオリジナル・トキシコアレイver.2を作製した。このアレイを用いて、遺伝子傷害性がん原性物質diethylnitrosamine(DEN,80mg/kg,27mg/kg,9mg/kg,3mg/kg体重)を9週齢雄B6C3F1マウスに投与して4時間後と28日後の肝臓における遺伝子発現を調べたところ用量相関性を示した。また、このうちの約50遺伝子についてリアルタイムPCR(qPCR)用primerを設計し、作製して、qPCR法で遺伝子発現を調べたところ用量相関性を示し、アレイ法とqPCR法の結果は概ね一致した。 【実験II】遺伝子傷害性肝がん原性多環芳香族化合物のchrysene(200mg/kg体重)を投与し、4,20,24,48時間後で遺伝発現変化を調べたところ4時間の次に48時間後で遺伝子発現変化が多かった。 【実験III】実験IIの結果を踏まえて、4種類の遺伝子傷害性肝がん原性物質(quinoline、N-nitroso morpholine、4-dimethyl(amino)azobenzene、2,4-diaminotoluene)と2種類の非遺伝子傷害性肝がん原性物質(clofibrate,1,4-dichlolobenzene)、1種類の非がん原性毒性物質(1-naphtylisothiocyanate)と1種類の非毒性物質(glycine)を1群5匹のマウスに投与して4と48時間後の肝臓における40遺伝子の遺伝子発現変化を個別にqPCRで調べているが、遺伝子傷害性がん原性物質がより多くの遺伝子の発現を変化させる傾向にある。
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