研究概要 |
本研究では、汚染されていた環境から汚染物質を選択的に除去するための環境浄化材料の開発を行いました。本年度の研究で得られました研究成果の概要は以下にまとめます。カーボンナノチューブ、ケイ藻土およびポリウレタンポリマーを出発物質として用い、水溶性染料を選択的に水から吸着・除去することのでる新規吸着材料を開発しました。具体的に、まずは、凝集状態のカーボンナノチューブを研究室で合成した分散剤を使い、1本1本までに孤立分散しました。次に、得られた孤立分散カーボンナノチューブを、ケイ藻土の中空の空間に充填し、ケイ藻土を保護ネットとする複合体を作成しました。更に、このケイ藻土/カーボンナノチューブ複合体を、ポリウレタンポリマーに添加し、in-situで、ポリウレタンを形成することにより、ポリウレタンをバインダーとした多孔質の吸着材料を作成しました。5つの水溶性染料(Ethidium bromide, acridine orange, methylene blue, eosin B, and eosin Y)を対象物質として選び、吸着実験をしました。その結果、作成されたポリウレタン/ケイ藻土/カーボンナノチューブ複合吸着材料は、芳香族類の水溶性染料を選択的に吸着する能力を持っていることが分かりました。また、カーボンナノチューブの生体反応性についても検討しました。得られた実験データはナノ材料の安全応用に貢献します。
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