研究課題
本年度はまず反応装置の改善を行った。具体的には、新規に水銀分析用原子吸光光度計を購入し、主要反応経路を石英製管に換える等の改善を行った。この改良した実験装置を用いて、燃焼排ガス系に対しては、市販の活性炭を用いて水銀除去メカニズムの解明のための検討を行った。その結果、塩化水素共存の影響をかなり明らかにし、さらに20ppmと比較的高濃度塩化水素共存下ではHgCl_2が生成している可能性があることを明らかにした。燃焼排ガスに硫化水素を供給して金属水銀を除去する方法に関しては、塩化水素共存させると、濃度が高い場合、塩化水素の効果が硫化水素の効果を上回ることを明らかにするとともに、活性炭の代わりに天然硫化鉄鉱石を利用する脱水銀法を提案した。低コスト脱水銀用活性炭の開発に関しては、これまでの活性炭の調製法に関するデータをまとめて論文として投稿した。石炭のガス化ガス中の金属水銀除去に関しては、酸化鉄による脱水銀メカニズムに重点を置いて検討し、これまでに見出したCOSの副生に関して、脱水銀活性とは必ずしも関連しないが、脱水銀にも関与する酸化鉄上の活性な硫黄種を経由して生成している可能性があることを明らかにした。さらにぐガス化ガス精製過程で脱ハロゲン装置からリークする可能性のある塩化水素共存の影響について、共沈系酸化鉄除去剤とチタニアを担体とする酸化鉄担持触媒を用いて検討した。その結果、酸化鉄系除去剤の種類によっては塩化水素によって脱水銀能が抑制されることを明らかにした。収着剤表面の硫化物種や硫黄種によって異なることが示唆されたことから、硫化鉄FeS_2による水銀除去に対する塩化水素共存の影響を検討した。硫化鉄FeS_2試料は市販の試薬、硫化鉄FeS_2鉱石A,Bの3種を用いた。市販硫化鉄FeS_2の場合、1ppmの塩化水素の共存では全く影響は認められず、10ppmでも影響は認められなかった。硫化鉄鉱石についても検討を行った塩化水素の影響は受けないことが確認できた。
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journal of Analytical and Applied Pyrolysis 78
ページ: 337-342
Twenty-Third Annual International Pittsburgh Coal Conference, Pittsburgh. PA. USA. September 25-28 CDR
ページ: 1-7
The 9_<th> China-Japan Symposium on Coal and C_1 Chemistry, Chengdu, Sichuan, China, October 22-28 proceedings
ページ: 127-128
Twenty-Third Annual International Pittsburgh Coal Conference. Pittsburgh. PA. USA. September 25-28 CDR