研究課題
本年度は、燃焼排ガス系に関しては、活性炭を用いて塩化水素と亜硫酸ガズ共存下の水銀の除去こついてそのメカニズムをTPD(定速昇温脱離)法を用いて検討した。その結果、亜硫酸ガスと塩化水素が共存する系では活性炭上の水銀種が塩化水素のみが共存する系とは大きく異なって塩化水素濃度によって複雑に変化しすること、亜硫酸ガスと塩化水素のいずれもが表面水銀種に影響を及ぼしていることが分かった。もう1つの収着剤である硫化鉄についても塩化水素共存の水銀の除去を促進する効果について検討を進め、金属水銀の酸化触媒として作用することを明らかにした。なお、本年度昨年検討した活性炭による水銀除去に対する亜硫酸ガスの影響を論文にまとめて米国ACSの雑誌に投稿・掲載された。石炭のガス化ガス中の水銀の除去に関しては、今年度は、昨年度末に見出した、活性炭による燃料ガス中の水銀の除去特性をTPDを用いてほぼ明らかにした。すなわち、水銀の除去には塩化水素の共存が必要なこと、共存する硫化水素は水銀の除去を抑制することを明らかにした。昨年度、水銀の除去メカニズムを解明するためTPD-マス法を取り入れた。この方法は完成に至っていないが、定性的なデータの取得が可能になった。これまでの、取得データの解析から、本方法により、インサイチューで水銀化合物蒸気あるいは揮発性分解性生物と触媒/吸着剤の反応をモニタリングできることを明らかにした。これまでに取得したデータは十分でないが、TPD-マスデータの集積が高活性収着剤の開発・設計に非常に有用なことは明らかに出来た。上記のデータの一部はピッツバーグ石炭科学会で三つの論文として口頭発表した。さらに、国際誌に2報報告した。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件)
Energy & Fuel (in press)
Energy &Fuel (in press)
Energy&Fuel 22
ページ: 2284-2289
Fuel 87
ページ: 3610-3815