研究課題/領域番号 |
18310057
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
上村 明男 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30194971)
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研究分担者 |
堤 宏守 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90211383)
岡本 浩明 山口大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (10274185)
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キーワード | 化学リサイクル / 解重合反応 / 触媒 / 高分子合成 / 廃棄物再資源化 |
研究概要 |
最近われわれが開発した廃FRP(繊維強化プラスチック)の化学分解法、および分解したモノマーを用いた再樹脂化について検討した。廃FRP超臨界メタノール中種々の有機または無機触媒存在下分解を行った。無機触媒についてはアルカリ金属塩を用いて、超臨界メタノール中でのFRPの分解反応を検討した。K_2CO_3,Cs_2CO_3やK_3PO_4を用いたときにはフタル酸ジメチル、リンカーの大半は回収されるものの、ガラス繊維にはまだ少量のリンカーの付着が認められ、可溶化が完全ではないことがわかり、本分解反応におけるDMAPの触媒としての優位性が確認された。また、有機触媒については、市販の4ブロモピリジンを用いてBuchbaldの方法でPd存在下各種2級アミンをピリジンの4位に導入した。これらを用いてFRPの分解反応を検討したところ、分解は速やかかつ完全に進行するものの、有機触媒はいずれも分解して回収できないことがわかった。現在引き続き加水分解されにくい触媒の創生探索を進めている。 再合成に用いるモノマー成分は廃FRPを超臨界メタノール中で分解したものを用いた。中規模プラントで分解したFRPのモノマー成分のGC定量からフタル酸ジメチル(DMP)の含有量を57wt%と決定した。これを用いて回収DMPとバージンDMPの混合比を種々変えて樹脂化実験を行った。いずれの場合も樹脂化したが、その硬度は混合比によって大きく変化した。すなわち、回収DMPの混合比を増やしていくと、回収DMPの割合が約50%程度までは硬度の低下があまり見られないが、それ以上に増加させると急激に硬度の低下が見られた。また回収DMPのみでも樹脂化したが、それはバージンDMPから樹脂化したものの約半分の硬度しか持たないことがわかった。
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