研究分担者 |
片野 登 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (30315593)
林 紀男 千葉県中央博物館, 生態環境部, 上席研究員 (60250156)
中野 芳雄 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (70315604)
近藤 正 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (70279503)
桑原 享史 秋田県立大学, 生物資源科学部, 流動研究員 (30452999)
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研究概要 |
平成19年度は,八郎湖流入河川河口や旧湖岸農業用水路等30ケ所で水生植物の群落調査を行い、各調査地点の種組成と植生断面図を作成した。今年度の調査では水生植物22種(内、沈水植物12種)の存在を確認した。また、埋土種子フロラの調査試験等より、水中照度が低い環境条件は水生植物の発芽には大きな影響を及ぼさないことが明らかとなった。これらの調査結果は、八郎湖の水生植物群落が貧弱な主要原因は透明度の低下ではなく、湖岸構造、波浪による剪断力、食害生物による被食などが大きく影響していることを示唆している。 また、八郎湖および周辺水域の三種町琴丘溜池群などで、浮遊微生物相の季節的変遷を調査し、同一水系の連なる溜池群においても、水生植物群落等が異なると浮遊微生物相の構成に大きな差異があることを明にした。 一方、大型角型水槽に八郎湖や周辺水域で生育している抽水植物や沈水植物を植栽し,これに人工モデル汚濁を水理学的滞留時間が20日となるように連続供給し,各水生植物の窒素,リン浄化機能等を調査、解析した。その結果、抽水植物(ヨシ,マコモ)の窒素除去速度が最も高く、また、センニンモは水温が低下した秋季から冬季にも比較的高い窒素、リンの浄化機能を有することが実験的に確認できた。このため、平成20年度は秋田県や大潟村にもご協力頂き、より大規模な埋土種子フロラ調査、アレロパシー物質の同定および水生植物の栽培管理等が窒素、リンの浄化機能等に与える影響等を調査・解析する予定である。
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