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2007 年度 実績報告書

光と熱に応答する高分子スピロピランを用いた重金属イオンのセンシングと回収法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18310061
研究機関東京電機大学

研究代表者

鈴木 隆之  東京電機大学, 工学部, 教授 (20257215)

キーワード環境技術 / 環境材料 / 環境分析 / 高分子構造・物性 / 光スイッチ
研究概要

スピロピランアクリレートとN-イソプロピルアクリレートの共重合体からなる高分子ゲルを合成した。このゲル中のそれぞれのモノマー成分の組成は、2:98(mol%比)であった。相転移温度は29℃を示し、これより高温側では収縮し、低温側では膨潤した。また、過塩素酸鉛(II)の水溶液中にこのゲルを導入すると、無色のゲルが黄色に変化した。中性域の水中におけるこの高分子ゲルの色調は赤色であることと上澄み液の電気化学測定(矩形波ボルタンメトリ)の鉛(II)イオン濃度の測定から、鉛(II)イオンの吸着が確認された。本研究課題の計画にある、重金属イオンの濃度を知るための色目表作成に一歩進むことが出来た。重金属イオンの粗定量のために残された課題は、水中の水素イオンとの吸着による色調変化への干渉を取り除くことだけになった。
一方、重金属イオンの精密定量については、420nmの励起光に対して500nm後半の発光がこの高分子ゲルから確認できた。粗定量における課題が解決されればこちらの計画も達成される。
最後に、この高分子ゲルにおける光照射を用いた繰り返しの重金属イオンの吸脱着実験は、予想以上に好ましい結果を得ている。約30回の光照射に対しても全く高分子材料の機能低下が認められなかった。光源に420nmよりも長波長側の可視光を用いているためと考えられる。通常、スピロピランに照射する光は紫外光(300〜380nm)もあるため、照射回数に応じて劣化もみられるのと対照的である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Photoresponsive Change of Oxygen-Binding Affinity of a Cobalt Schiff-Base Complex with an Axially Coordinating Stilbazole Residue of a Copolymer2007

    • 著者名/発表者名
      T. Suzuki, * Y. Suzuki, N. Oda, J. Ohkubo and H. Shinozaki
    • 雑誌名

      J. Phys. Chem. B 111(30)

      ページ: 8823-8829

    • 査読あり
  • [学会発表] 水中における高分子スピロピランの異性化平衡2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木隆之・池亀智昭
    • 学会等名
      日本化学会第88春季年会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2008-03-27
  • [学会発表] 高分子スピロピランにおけるニトロ基の金属イオン吸着選択性に与える影響2007

    • 著者名/発表者名
      鈴木隆之・平原悠樹
    • 学会等名
      第56回高分子討論会
    • 発表場所
      名古屋工業大学
    • 年月日
      2007-09-19

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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