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2008 年度 実績報告書

光と熱に応答する高分子スピロピランを用いた重金属イオンのセンシングと回収法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 18310061
研究機関東京電機大学

研究代表者

鈴木 隆之  東京電機大学, 工学部, 教授 (20257215)

キーワード環境技術 / 環境材料 / 環境分析 / 高分子物性・材料 / 光スイッチ
研究概要

スピロピランアクリレートとN-イソプロピルアクリレートの組成が2:98(mol%比)共重合体を含む水溶液を用いて、鉛(II)イオンをはじめとする金属イオンの吸着測定を紫外可視吸収スペクトルから観測した。鉛(II)イオンの粗定量を呈色反応から判断できるようにするための色味表を作成するとともに、精密定量のための蛍光スペクトル測定も行った。相転移温度は29℃であるため、高温側では析出し、低温側では溶解する。そのため、再現性を目指してなるべく均一な系を選択する必要があり、相転移温度よりも低い10℃で蛍光測定を行った。鉛イオンとスピロピランアクリレート部位の錯体に由来する420nmに極大吸収を有する吸収帯に着目して、このあたりの波長を励起光として蛍光測定を行ったところ、520〜540nmに顕著な蛍光を観測した。この緑色の発光は、水溶液に可視光照射してスピロピラン部位を閉環体に強制的に異性化すると消失し、暗所下で放置すると再び蛍光を発するようになる。この挙動は吸収スペクトルにおける420nm吸収帯の吸光度変化と同期することから、鉛イオンとスピロピラン部位の錯体由来によるものと考えてよい。次に、励起光のバンド幅、感度などの最適化を行い、鉛イオンの精密定量のための蛍光強度を整理した。
最後に、この共重合体による鉛イオンの吸着回収を光照射を用いて繰り返し行うことを想定して、1段階にどの程度の鉛イオンを回収できるのかを見積もった。実用を視野に、簡便に出来るスペクトル解析を考案した。可視領域のスピロピラン部位由来の吸収帯に注目し、容易に錯形成量を見積もる方法を提案できた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] 光刺激で金属イオンを吸脱着する高分子2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木隆之
    • 雑誌名

      高分子 57

      ページ: 915-916

  • [学会発表] 四級化アミン部位を持つカチオン性スビロピラン共重合体の塩水中における光可逆的Cu(II)吸着選択性2009

    • 著者名/発表者名
      鈴木隆之, 文屋かおり
    • 学会等名
      日本化学会第89春季年会
    • 発表場所
      日本大学理工学部船橋キャンパス
    • 年月日
      2009-03-26
  • [学会発表] アミジノ尿素部位を有する高分子スピロピランの光可逆的銅イオン吸着2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木隆之, 島倉庸一
    • 学会等名
      第57回高分子討論会
    • 発表場所
      大阪市立大学
    • 年月日
      2008-09-24
  • [産業財産権] 光および熱応答性吸着材料、可溶性物質の回収方法2008

    • 発明者名
      鈴木隆之
    • 権利者名
      学校法人東京電機大学
    • 産業財産権番号
      特許法第0800038号
    • 取得年月日
      2008-11-25
    • 外国

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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