研究概要 |
植物生体電位は環境要因によって変動する。リアルタイムにその変動を監視したのでは環境変化を捉えることは難しい。このため,サンプリングデータの1時間や30分の総和(積分値)を導出し比較することにより様々な関係が明らかとなる。当該年度においては,生体電位を用いてホルムアルデヒド空気汚染の有無を同定することを試みた。結果として,微弱ではあるが信号変化が認識でき,その可能性が明らかとなった。 室内や屋外(太陽光下)での光量変化による生体電位の積分値特性を詳細に調べた。ただし,光周波数特性ではなく光量依存性を近似特性にて示した。光量と生体電位(サンプリング間隔0.1秒)の1分間の積分値との関係は指数関数で近似できる。さらに,暗黒下においては積分値のヒストグラムのバラツキが小さく,太陽光下では5倍を超えるバラツキ(散)が認められ光量を類推できる。 植物の環境状態をコンピュータディスプレィ上に顔表現で示すことができた。また,10語程度の応答も可能である。特に,火災などの急激な熱変動や夜間の不審者による葉面接触による生体電位変化によりセキュリティや災害の異常を知らせるインターフェースを構築した。これらについては,さらに完成度を高め,平成20年度においてまとめる発表していく予定である。
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