研究課題/領域番号 |
18310067
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川添 良幸 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30091672)
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研究分担者 |
BELOSLUDOV R. V. 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (10396517)
佐原 亮二 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (30323075)
水関 博志 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (00271966)
高橋 まさえ 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (80183854)
本郷 研太 東北大学, 金属材料研究所, 研究支援者 (60405040)
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キーワード | 動的安定性 / 水素ハイドレート / メタンハイドレート / メタン / 自己保存効果 / 第一原理計算 / 分子動力学 / 格子力学 / 熱力的性質 |
研究概要 |
水素ハイドレート:van der WaalsとPlatteeuwの理論に複数のゲスト分子、格子緩和の扱いを取り入れ、キャビティー内の水素の振る舞いを量子力学に基づいて記述した新しい理論を確立し、立方格子の水素クラスレート構造(CS-II)の相図を得た。さらに、我々のグループで開発した第一原理計算プログラムTOMBOを用いて水素間の斥力を計算し、それから得られた結果は実験結果を再現することを確認した。本研究で開発したプログラムを六方晶(sH)、立方晶(CS-I)にも適用し、最大5個のゲスト分子を含む異なるキャビティー内の化学ポテンシャルを求めた。低温では高圧になるに従い、挿入される水素分子が1個から5個へ徐々に変化する様子を得ることができた。 メタンおよびアルゴンのハイドレート:メタンハイドレートではCS-IよりもCS-IIのハイドレート構造においてメタンの影響が強く、アルゴンハイドレートでは逆になっていた。これは良く知られている法則「ゲスト分子はvan der Waals半径にもっとも一致する大きさのキャビティーをもつ構造を形成する」が成り立たないことを示している。273Kにおけるメタンとアルゴンのハイドレート(CS-I)の広範囲の圧力依存性をその化学ポテンシャルから調べた。メタンハイドレートのCS-II相はCS-Iに比べて準安定相であり、アルゴンでは逆であることが明らかになった。 自己保存効果:自己保存効果はメタンハイドレートが分解する平衡温度よりも高温で分解を避けることに利用でき、この現象の起源解明が期待されている。本研究では分子動力学と格子力学シミュレーションを用い、ガスハイドレートが異常に安定な状態での氷の遮蔽の効果・役割を調べた。
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