研究課題/領域番号 |
18310074
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研究機関 | 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所 |
研究代表者 |
後藤 秀樹 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (10393795)
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研究分担者 |
舘野 功太 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 研究主任 (20393796)
眞田 治樹 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 社員 (50417094)
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キーワード | ナノ材料 / 半導体物性 / 光物性 |
研究概要 |
単一スピン操作の試料作製、測定技術の立ち上げと評価、および、ナノワイヤを用いたマクロアトムの形成法に関して成果が得られた。 単一スピン操作に関しては、まず、測定試料として励起子ボーア半径より薄い(3-5nm程度)GaAs/AIGaAs量子井戸構造に電流を注入可能な電極を形成し、低温下で顕微フォトルミネッセンス(PL)を行う技術を確立した。実験では、荷電励起子(励起子と電子が結合した状態)からの発光を明瞭に観測することができた。また、荷電励起子の選択的生成法、および通常の励起子とは異なる特徴的な偏光異方性も見出した。これらの成果は、単一スピン操作のための極めて重要な基本的要請を達成したことを意味する。これらの成果を国内会議で発表した。 GaAsを発光領域とするナノワイヤにヘテロ構造を形成した試料を作製し、顕微PL法で評価し、従来まで用いていたInGaAs系量子ドットと同様のPL特性が得られた。また、PLの直線偏光特性は、ナノワイヤの形状を反映した、強い偏光異方性を持つことを明らかにした。これは、ナノワイヤ作製技術がマクロアトム形成のために有効であることを示す。本成果を、国内会議、および国際会議で発表した。 ナノワイヤの構成半導体は多数考えられる。発光材料として最適な構成を明らかにするため、従来とは異なるSi基板上のGaPナノワイヤを作製した。この半導体の組み合わせは、それぞれの格子定数が大きく異なり、格子欠陥が多数発生することが予測されたが、作製したナノワイヤを透過電子顕微鏡で評価したところ、格子欠陥がほとんど含まれていないことが分かった。また、ナノワイヤ成長の種となる金粒子を規則的に配置する技術を用いれば、ナノワイヤの形成位置の制御が可能であることも分かった。この成果を、国内会議、国際会議、英文論文誌で発表した。特許申請も実施した。
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