研究課題
本研究は、InGaN/GaN多重量子ディスク(MQD)ナノコラムにおける多色発光の発現機構の解明、発光色制御技術の開発、およびデバイス応用の可能性検証を目的としている。(0001)Al_2O_3基板上において、自然核形成によるGaNナノコラムの形状や密度のAlNバッファ層厚依存性を調べたところ、AlNバッファ層厚の増大とともにGaNナノコラムの平均直径は150nmから52nmに減少し、AlN層厚3.2nmにおいてコラム密度は最大(5x10^9cm^<-2>)になった。特に、AlN層が薄い場合GaNナノコラムがAlNドット側面から成長する様子が透過電子顕微鏡で観測された。また、Si基板上に湖パターンを形成してGaNナノコラムを成長したところ、Alパターン上ではSi上に比べて成長速度が速く、選択成長が可能であることを見出した。これらの成果はナノコラムの位置・形状制御における重要な知見である。InGaN量子ディスクナノコラムをSi基板上に分散させ、1本もしくは数本程度のナノコラムからの発光を顕微鏡下で測定することに成功した。また、発光波長500nmのInGaN量子ディスクの低温蛍光寿命は、同波長帯の量子井戸(約70ns)に比べ約2桁短く、ピーク波長の励起光強度依存性も見られないことから、分極電場による振動子強度の低下が生じていないことが示唆された。可視域で発光するInGaNナノコラムLEDにおいて、InGaN活性層やp型層を高温で成長する条件を確立し、電流注入発光強度および電流電圧特性の著しい改善を得た。また、n-GaNナノコラム層の高さが発光半値幅や発光強度に影響することがわかり、市販の高輝度緑色InGaN-LEDよりも狭いスペクトル線幅の試料も得られた。ナノコラム中の量子ディスク構造における格子不整合度やIn組成依存性の影響を解明するために、GaN/AlN多重量子井戸や高In組成InAlNナノコラムを成長し、ラマン散乱や光学特性評価を行った。
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