研究課題/領域番号 |
18310083
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
長尾 忠昭 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノシステム機能センター, 主幹研究員 (40267456)
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研究分担者 |
稲岡 毅 国立大学法人岩手大学, 工学部, 助教授 (40184709)
中山 知信 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノシステム機能センター, グループリーダー (30354343)
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キーワード | 金属原子鎖 / 金属ナノ粒子 / 電子回折 / 電子分光 / 赤外吸収 / プラズモン |
研究概要 |
本プロジェクトでは、人工的・自己組織化的手法を利用して原子レベルで精緻に制御された"低次元金属ナノ構造物"を実現し、プラズモンの低次元化や閉じ込め効果等を利用し、所望の誘電物性や機能物性の設計・実現へ向けた指導原理を得ることを目指す。研究代表者の金属/誘電体ヘテロエピタクシーの技術をベースに、所属研究機関・部門の微細加工技術、研究協力者の化学的ナノ構造構築手法を複合的に発展させ、数十ナノメートルから原子スケールまでの金属構造物を、溶液環境・真空環境において制御性良く構築する方法を多角的に探索する。 本年度は、シリコン表面上(Si(557)表面上)に規則配列させた金-シリコンの原子鎖列に対して、世界最高波数分解能を持つ低速電子回折・分光装置を用い、プラズモン測定を行った。朝永理論でも有名な、一次元プラズモンの分散関係の測定に成功し、このプラズモンが、赤外領域に振動数を分散させる音響波的なモードであることを見出した(長尾)。さらに、量子論を用いた理論解析により、一次元プラズマ振動する電子同士の交換・相関効果が予想以上に大きいこと明らかにした(稲岡)。また、溶液中の金ナノ粒子の表面増強赤外吸収効果を用いて固-液界面での金ナノ粒子膜の膜形成ダイナミクスを詳細に調べ、その形成過程が一次のラングミュア吸着模型で説明可能であることを明らかにした。また、ナノ粒子の脱離に関しても分子レベルの微視的な立場からそのメカニズムを解明した(Enders、長尾)。
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