本研究では、立体構造をデザインした種々のペプチド配列を同時合成し、デバイス配置可能な最新技術であるペプチドライブラリ手法を駆使し、細胞内外の種々のタンパク質を機能的特徴により解析することが可能なプロテイン検出チップ(設計ペプチドチップ)の開発を行うことを目的とする。 「プロテイン検出チップ」適合型デザインペプチドライブラリの構築:細胞内外で機能しているタンパク質ライブラリを機能別に分類し、濃度定量を行うことの可能な種々のペプチドライブラリの構築を平成18年度に引き続き実施した。糖鎖を認識するレクチンなどのタンパク質検出を行うために単糖複合ヘリックスペプチドを合成し、ペプチド部が糖のレクチンへの結合を補強できることを明らかにした。またヘリックスライブラリのタンパク質リガンドリガンドの検索分析系も作成した。 ペプチドライブラリのアレイ化による「プロテイン検出チップ」構築:作成した種々のペプチドライブラリを用いたアレイ化を平成18年度に続き行った。基板の表面化学についてもさらに、検討を行い、ターゲットタンパク質を化学結合により捕捉できる光架橋型ペプチドアレイの構築を実施した。 ラベルフリー検出システムの構築:構築チップを用いたタンパク質の検出において、ターゲットタンパク質の標識(ラベル)を必要としない金の異常反射法を利用した新規検出法の開発を実施した。デンドリマーによる3次元表面を作製し、2倍以上のタンパク質検出感度向上を達成した。またファージの検出にも成功した。
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