研究課題/領域番号 |
18310089
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
七里 元晴 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ有機センター, NIMSポスドク研究員 (00421389)
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研究分担者 |
中尾 秀信 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ有機センター, 主任研究員 (80421395)
小堀 俊郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品工学研究領域, 研究員 (10353971)
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キーワード | タンパク質チップ / ペプチドバーコード / エピトープマッピング |
研究概要 |
本研究課題では、ペプチドバーコードと呼ばれる、ナノ空間で効率よく抗原抗体反応の検出を行う新規技術の開発を目的としている。 研究の初年となる18年度は、ペプチドバーコードの基本技術である足場(支持体)DNAとペプチドタグ(DNA-ペプチド複合体)の設計・合成を行い、これらのハイブリダイゼーションによる三重鎖形成条件の検討と最適化を行った。また、ペプチドバーコードを伸張整列固定(アレイ化)するための基盤表面コーティングの検討を行った。 1.ペプチドバーコードの設計・合成 ペプチドタグのDNA塩基配列は、pUC19プラスミドDNA配列中の特に三重鎖形成に有効であると報告されている2つの領域、p24(GGA TCT TCA CCT AGA TCC T)とp06(GAG CGG ATA CAT ATT TGA ATG)を用いた。このDNA配列の5'末端に17残基からなるペプチド(AAKKAAKKAAKKAAKKC)をヘテロクロスリンカーをはさんで交差反応を行い、ペプチドタグを作成した。このペプチドタグと相補的配列を持つ足場DNAとを37℃で1時間インキュベートさせた後、アガロース電気泳動により分離した。その結果、それぞれのペプチドタグとその相補的配列を持つ足場DNAをインキュベートした場合に泳動度が小さくなる傾向(バンドシフト)が見られ、塩基特異的にハイブリダイズしている可能性が示唆された。今後、ハイブリダイズ領域の繰り返しを増やした足場DNAでさらにハイブリダイズ条件の最適化を図る。 2.ペプチドバーコードのアレイ化のための基板設計、および技術開発 本研究課題で最終的に用いるペプチドバーコードは、2〜5kb程度の長さを予定している。このため、pUC19プラスミドDNA(2.6kb)を制限酵素処理で直鎖状DNAにしたものを用いて、基盤表面への伸長固定を試みた。その結果、芳香族環を含むポリマー(ポリフェナザシリン、ポリビニルカルバゾール)で被覆した基板表面に多くのDNAを再現性良く整列固定することに成功した。またポリマーの骨格構造の違いがDNAの整列固定に与える影響も明らかにした。さらに蛍光顕微鏡でも観察することが可能であることを確認した。
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