研究課題/領域番号 |
18310098
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
内田 達也 東京薬科大学, 生命科学部, 准教授 (30261548)
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研究分担者 |
井上 隆史 株式会社日立製作所, 生産技術研究所, 主管理研究員 (90417056)
熊田 英峰 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (60318194)
田中 弘文 東京薬科大学, 生命科学部, 准教授 (30146899)
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キーワード | ナノ材料 / メソポア / ナノバイオ / イムノセンサ / ELISA / 抗原抗体反応 / 酵素反応 |
研究概要 |
イムノアッセイが可能なナノ空間(40〜60nm)を有する薄膜(メソポーラスネットワーク)の創製を目指すとともに、これを基板として用いた新規ナノバイオセンサを構築すべく研究を展開してきた。 クロム薄膜を蒸着したガラス基板上にメソポーラスシリカ薄膜を作製した。この際にメソ細孔の鋳型となる界面活性剤の含有率を減らすことで、細孔数を減少させた。この基板を焼成することで、界面活性剤が消失すると同時に細孔内にクロムが進入し、細孔が塞がれることおよびクロムが酸化状態にあることを、窒素吸着等温線測定およびXPS測定によって明らかにした。この酸化クロムーシリカ複合体薄膜をフッ酸水溶液で処理することでシリカ部分のみが選択的にエッチングされ、直径30〜60nmの細孔ネットワーク構造が薄膜全体に形成されていることを電界放射型電子顕微鏡観察および窒素吸着等温線測定によって確認した。 このメソポーラスネットワーク内にMouse IgGが強く吸着保持され、さらにFITC標職化Anti-Mouse IgGのみを選択に結合することがわかった。その際の蛍光強度は二次元平面基板を用いた場合の約30倍であり、極めて高感度な蛍光型バイオセンサとして応用可能なことを明らかにした。また、メソポーラスネットワーク内での酵素反応は市販の96穴プレートに比べ約50倍の速さで進行し、極めて高感度かつ高速なELISA法によるタンパク質検出を実現した。 以上のように、本研究で新規に開発したメソポーラスネットワーク薄膜は、これまでのバイオアッセイを凌駕するセンサの開発に極めて有効である。
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