研究課題
前年度調査結果の論文投稿のため平成19年4月〜5月に追加インタヴュー調査を行い、平成19年6月の産学連携学会、同10月の組織学会で発表した。さらに、連携して研究を行った海外の研究者と共同で海外の学術誌に投稿し、3誌において査読を経て掲載された。平成19年10月〜12月にわが国の主要な製造業500社に対して革新的製品開発の前段階におけるユーザ利用及びその際のCTOの関与についての大規模アンケート調査を実施し、新製品の上市後の成功と外部資源の代表であるユーザ利用との間の因果関係について主成分分析、t検定、重回帰分析、共分散構造解析分析を行った。その結果の意義、重要性は次のとおり。なお、この結果については現在投稿中である。1. BtoC型企業でのユーザ活用は顧客満足成果につながり、技術者とユーザとの直接接触が特に有効であった。市場新規性又は製品新規性が高い場合には製品開発に関するニーズ・機能・アイディアの探索及び確認にユーザを活用することが、低い場合にはユーザ活用に積極的な風土が、それぞれ顧客満足成果につながっていた。市場新規性が高い場合にユーザ活用が顧客満足成果に大きな影響を与えていた。2. BtoB型企業でのユーザ活用も顧客満足成果につながり、製品開発の前段階での製品に関するニーズ・機能・アイディアの探索及び確認にユーザを活用すること、ユーザ活用に積極的である風土が有効であった。またユーザ活用は特に製品新規性が高い場合に顧客満足成果に対し大きな影響を与えていた。3. BtoB型企業では強いニーズを持つユーザは高い技術知識を持つ傾向があるが、BtoC型企業では製品に対して強いニーズを持っているユーザが必ずしも同時に高い技術知識を持っているわけではなかった。4. CTOが、新製品開発の前段階におけるユーザ活用に積極的な風土の形成に大きな役割を果たしていた。
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R&D Management Vol.38, No.1
ページ: 1-19
International Journal of Innovation and Technology Management Vol.4, No.3
ページ: 323-350
ICM journal 2007August
ページ: 1549-1556