研究課題
地理データに代表される大規模なデータに何らかの構造を見いだし、その視覚化を試みる場合、多くの問題は数理最適化問題に定式化できる。しかし、そうして得られた問題は凸性などの数学的に好ましく扱いやすい性質を持っていないことが多々ある。例えば、多次元尺度法の扱っている問題を素直に定式化した最適化問題ですらそうであり、そのため局所的最適解が複数現れ、最適化は困難となる。この問題を錐計画問題に定式化し、内点法によって解く試みが内外の研究者によって提案されており、そのための基礎研究を行った。さらに、定式化された数理最適化問題は相反する複数の基準を持つことがある。そのような問題には解の候補として認められているパレート最適解が複数存在するため、パレート最適解の中からさらに何らかの妥当な解を選ぶ追加的な基準の構築と、それを実行するアルゴリズムが必要である。一般に凸集合とならないパレート最適解集合を記述する方法として、ギャップ関数と呼ばれる関数を用いることが有効であるが、この関数は実行可能領域の外では定義されておらず、これがアルゴリズム構築の際に妨げとなっていた。多基準の線形最適化問題のパレート最適解集合上で線形関数を最適化する問題を取り上げ、ギャップ関数のこの問題点を解決するため、その拡張の方法を提案した。また、申請者が以前に提案した方法が、データマイニングの一手法である非負行列分解のために用いることができるとの提案があり、そのための実験も開始した。
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http://www.trios.tsukuba.ac.jp/scripts/websearch/index.htm