研究概要 |
開放型サービス空間とは,不特定多数の人がそれぞれの目的,必要に応じて何らかのサービスを受けるために集散する空間をいう.本研究は、そのような施設・設備さらにはそれを取り巻く環境をも含めてマネジメントしていくための特質を明らかにすることを目的とし、次のような活動を行った. 岡田は、ヒューマンエラー防止の観点から開放型組織の安全管理・品質管理を支援するシステム(ヒューマンエラー・マネジメント評価システム)の開発を行った。さらに本システムを用い、鉄道、病院、製造業など約90社、3000名余からのデータを収集し、各企業・団体におけるヒューマンエラー防止活動の評価、およびその体系化を図った。また、各企業・団体に対するヒューマンエラー防止活動支援も実施した。 栗田は公的商業施設の集客力モデルを構築するための基礎理論の構築をめざし,複数の目的地を有するトリップを記述する空間的相互作用モデルの研究を推進した.これは開放型の都市・建築空間における移動の様態を記述してゆくための基礎を担うモデルである.また都市・建築空間内の連絡通路の配置評価を移動エネルギーの最小化ならびに移動者数の最大化といった観点から追求するモデルを開発し,現実の都市地域の分析に応用することに成功した.これにより連絡通路の新設や改善が交通弱者に寄与する様子を記述することが可能となった. 櫻井・篠沢は、ニューラルネットワークやFrame Netなどを利用した記号処理による実験を行い、実際に記述された自然言語文の構文や意味構造の解析には、従来行われている、文単位の解析では不十分であることを確認した。これに基づき、複数文を対象とする、事象記述(イベント、例えば、事故に関する記述)の自動抽出手法の検討を行った。さらにこれらの知見をもとに、組織における教育(e-learning)支援システムの構築、ドキュメント管理システムの開発等への展開を検討している。 稲田は累積流量図やガントチャートとRFIDタグの融合する手法を通じ,開放型サービス空間におおけるモノと人の流れを分析する基礎を整備した。
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