研究分担者 |
丸山 暉彦 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30016646)
中村 和男 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40272869)
杉本 光隆 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50196755)
仲川 力 舞鶴工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (70249811)
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研究概要 |
多様な不整地盤上作業機械が一般的な土木,建築工事から,近年件数が増加している防災工事,災害時の救援及び復旧工事に至るまで幅広い分野において活用されている.本研究の目的は「不整地盤上作業機械の転倒に対する安全確保システム」の基盤を,ハイブリッド安全シミュレータの開発,それによる転倒メカニズムの解明,さらには人間と機械の相互作用を踏まえた次世代転倒安全確保システムの基本原理の提案によって構築することである。 本年度は、転倒時の周辺環境への被害規模が大きいこと,つり荷の三次元的振れを伴う挙動が複雑であるため安全システムの構築が容易ではないことよりクローラクレーンを解析対象として以下を実施した. (1)ハイブリッド安全シミュレータシステム全体の詳細設計 次に示す(1)〜(3)より構成されるハイブリット安全シミュレータシステムにおいて,(1)及び(2)を中心に詳細設計した. (1)運転室(機械運転者が搭乗する実機運転室及び6自由度モーション装置) (2)クレーンスケールモデル(作業機械モデル及び不整地盤モデル) (3)コンピュータによるシミュレータすなわちバーチャルシミュレータ これらを統合してハイブリッド安全シミュレータとして機能するよう発展させる. (2)リアルシミュレータの製作及び試用 (1)に述べ詳細設計したシステムの内,(1)及び(2)より構成されるリアルシミュレータを製作した.本年度申請経費より購入した油圧駆動制御機器は(2)クレーンモデルに装備した.クレーンモデルは各部動特性を高精度に計測できるよう適宜改良を加えた.本リアルシミュレータを用いて,旋回作業時を対象に転倒前後におけるクレーンモデルの動特性を実験解析した,代表的な不整地盤条件として軟弱な火山灰質粘性土地盤を選び,つり荷負荷率,つり荷作業半径及び旋回特性を変化させて実験した.比較のためコンクリートよりなる堅固地盤上にても同条件下で実験した。実験結果を解析考察し,軟弱地盤及び堅固地盤のいずれにおいても転倒現象を支配すると考えられる因子の絞込みを行うことができた.また,バーチャルシミュレータの構成要素となるクレーンの有限要素法モデル及びマルチボディダイナミクスモデルも構築した.
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