研究分担者 |
清家 規 九州大学, 大学院人間環境学研究院, 助教授 (90243914)
竹中 博士 九州大学, 理学研究院, 助教授 (30253397)
高口 洋人 九州大学, 大学院人間環境学研究院, 特任助教授 (90318775)
藤田 敏之 九州大学, 経済学研究院, 助教授 (30297618)
松島 信一 清水建設技術研究所, 副主任研究員 (30393565)
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研究概要 |
本研究の目的は、その発生が強く懸念されている福岡市直下を貫く警固断層で地震が発生した場合に、その定量的な強震動予測および被害予測を実施し、さらにその被害予測結果と都市機能の相互連関を表現したシステムダイナミクスモデルに基づいて、この地震災害が都市全体の環境および経済に与える総合的な発災インパクト予測システムを構築し、総インパクト低減の観点に立って防災施策を考える新しい都市地震災害リスクマネジメントの方法論を提示することにある。 平成18年度にはまず震源の高精度化に向け、福岡県西方沖地震の震源過程の詳細を調べるため高密度強震観測網で観測されたP波波形に非常に高分解能の解析を施した。その結果、以下のことが判明した。1)初期破壊面は,アスペリティが存在する主破壊面とは異なる。2)震源で始まった破壊は,まず福岡市とは反対方向の北西方向に伝播し,約1秒後主破壊面に達しその破壊を誘導した。主破壊面の破壊の開始点は初期破壊面と主破壊面のちょうど交線上に位置する。3)主破壊面の破壊フロントは,主に福岡市の方向に広がり,オリジンタイムから3.7秒後アスペリティの北西端に達し,強震動の生成が始まった。 地下構造に関しては、福岡市域の地下構造を検証する目的で3次元FDMによって福岡県西方沖地震の再現を試み、市街地中心部ではよい再現が得られること、一方周辺の堆積層が薄い地域ではあまりよく合わないことを見出した。そこで最新の重力異常データを入手してそれにあわせてこれまでのモデルを再構築した。その結果得られた基盤深さは周辺部でこれまでよりもずっと薄くなる結果となった。この地下構造を用いて警固断層地震の強震動を予測した。結果は市街地中心部でこれまでの予測より大きな最大速度値となった。その理由は震源モデルを見直したためで、断層近傍では震源の影響はサイトの影響を上回っているといえる。
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