研究課題/領域番号 |
18310125
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川瀬 博 京都大学, 防災研究所, 教授 (30311856)
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研究分担者 |
清家 規 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (90243914)
竹中 博士 九州大学, 理学研究院, 准教授 (30253397)
山田 伸之 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (80334522)
村上 ひとみ 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (10201807)
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キーワード | 福岡 / 警固断層 / 地震被害 / 建築構造物 / 環境負荷 / 経済損失 |
研究概要 |
本研究の目的は、その発生が強く懸念されている福岡市直下を貫く警固断層で地震が発生した場合に、その定量的な強震動予測および被害予測を実施し、さらにその被害予測結果と都市機能の相互連関を表現したシステムダイナミクスモデルに基づいて、この地震災害が都市全体の環境および経済に与える総合的な発災インパクト予測システムを構築し、総インパクト低減の観点に立って防災施策を考える新しい都市地震災害リスクマネジメントの方法論を提示することにある。 平成20年度交付分の研究内容に関しては、まず19年度に実施したスペクトル分離手法により求められた地震基盤から表層までの増幅特性をターゲットに、各観測点における地下構造を求める手法を単純な遺伝的アルゴリズムから焼きなまし法を考慮したハイブリッド探索手法に改良して、より適合度の高いS波速度構造を求め、さらに表層30mの平均S波速度で各観測点を分類して、ある区分ごとの平均的な増幅特性を求めた。これにより広域の強震動予測を行う際にサイト情報がない場合でも統計的グリーン関数を構築することが可能となった。また発災インパクト予測のために福岡市とそれ以外の地域で得られた構造物の振動特性を計測してその平均値に基づいて神戸市の被害統計から求めた被害予測モデルを補正して高精度化することができた。この地域性を考慮したモデルと、被害程度に応じた環境負荷原単位を用いてある想定地震に対する総インパクトを推計するシステムを構築し、巨大地震に対する被害想定に適用してその有効性を確認した。
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