研究課題/領域番号 |
18310126
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
熊倉 俊郎 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (00272865)
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研究分担者 |
陸 旻皎 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80240406)
石坂 雅昭 防災科学技術研究所, 雪氷防災研究センター, 研究員 (50414412)
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キーワード | 降雪降雨判別 / 降雪質量 / 積雪質量 / 降雪積雪融雪数値モデル / 積雪層水収支 / 底面融雪量 / 降雪観測 / 雪害防除 |
研究概要 |
前年度に7か所に設置した降雪降雨強度計と降雪粒子判別器およびそのデータ記録器を用いて、引き続き冬季に観測を行った。昨シーズンは暖冬で降雪、積雪が少なかったが、本シーズンは最大積雪深としては平年並みに達したため、本運用の観測データとしては前回よりも良い結果が得られている。新規開発の光学機器の検証に関しては、前年度にビデオ撮影で対応しようとしたが、画像認識に個人差が見られるなど目視で現場観測するようには行かないことが判明し、本年度からは、新規開発機器の受光信号を直接AD変換して記録する機器を新たに2か所(長岡、十日町)設置し、さらに、比較には、研究分担者による、長岡に設置された大型の粒子判別装置の結果を用いることとした。この大型機は既に粒子判別器としての成果がある機器であるが、高価で大規模であるために新たな設置が困難であった。しかし、十日町にも設置されたため、同所でも観測を開始した。降雪積雪融雪モデルに関しては、水平面的に有効な融雪課程としてデグリーデイ法を拡張した手法を取り入れて、レーダー降水量を地上観測降雪水量で補正したデータと併用して、現実に近い挙動を再現することを確認した。様々な地域で有効な、底面融雪量算定に関わるモデルの普遍化に関しては、土壌モデルを用いた底面融雪量の推定を行い、観測に基づく底面融雪量を再現できることを確認した。本年度は、研究遂行上のキーとなる基礎研究を行い、良い結果を得ている。来年度にはその成果に基づき、最終的な機器の調整と、どの程度の判別誤差で雨雪判別が可能であるか、またその結果を用いた積雪モデル計算にどの程度インパクトを与えるかを明らかにしたい。
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