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2008 年度 実績報告書

都心の住宅地における斜面災害危険度予測図「崖っぷちマップ」の作成

研究課題

研究課題/領域番号 18310129
研究機関京都大学

研究代表者

釜井 俊孝  京都大学, 防災研究所, 教授 (10277379)

キーワード都市 / 斜面災害 / リスク評価 / ハザードマップ / 東京
研究概要

1. 崖っぷちマップの試作
東京都心部において「崖っぷちマップ」を試作した。崖線からの距離、斜面の平均傾斜、斜面保護の状況(擁壁の有無、種類、年代、変状)、盛り土の分布について点数化し1/2500地形図上に示した。目黒川流域では、左岸側斜面に脆弱度の高い斜面が多く分布する傾向が表現されており、簡単なハザードマップの作成法としての有用性を示すことができた。
2.谷埋め盛り土の土壌汚染
東京都心部において重金属に汚染された谷埋め盛り土の存在が明らかになった。地表面下1.5m以深〜旧谷底まで、約3.5mの厚さのゴミ埋め層があり、最大で4900mg/kgの鉛が含有されていた。これは、土壌汚染対策法の汚染基準の約30倍に相当する。また、同位体炭素年代が実年代よりも数百年古い年代を示しており、油汚染(Dead Carbon汚染)も疑われる。この盛り土の地中レーダー探査結果では、建築廃材と思われるエコーの存在も明らかになった。
3.岩手・宮城内陸地震における谷埋め盛り土の変動
この地震により旧築館町の舘下地区で谷埋め盛土の崩壊が発生した。この崩壊は,2003年三陸南地震の際に発生した谷埋め盛土崩壊箇所の西に隣接しており,その当時は滑らなかった谷埋め盛土が,今回のより強い地震動(K-net築館で3ch合成約800Gal)によって,崩壊した。今回崩壊した谷埋め盛り土は前回の事例よりも深く、並列する主な谷埋め盛り土のうち、厚さの薄い谷埋め盛土の方が不安定であったといえる。崩壊の発生を左右するのは,側部抵抗の大きさであると考えられるが、2003年と今回の地震によるこの地区での谷埋め盛土の崩壊事例は,そのメカニズム(roller slider model)を実証した事例として貴重である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 岩手・宮城内陸地震による斜面災害2008

    • 著者名/発表者名
      釜井俊孝
    • 雑誌名

      自然災害科学 27

      ページ: 189-198

  • [学会発表] 2007年新潟県中越沖地震による柏崎市及び周辺地域の斜面災害2008

    • 著者名/発表者名
      釜俊孝, 村尾英彦
    • 学会等名
      日本地すべり学会
    • 発表場所
      小田原市
    • 年月日
      2008-08-27

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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