研究課題/領域番号 |
18310138
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
南野 直人 国立循環器病センター(研究所), 薬理部, 部長 (50124839)
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研究分担者 |
佐々木 一樹 国立循環器病センター(研究所), 薬理部, 室長 (80260313)
尾崎 司 国立循環器病センター(研究所), 薬理部, 室員 (60380565)
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キーワード | ペプチド / プロセシング / 質量分析 / 生理活性ペプチド / 甲状腺C細胞 / 下垂体 / カルシトニン / カルシトニン遺伝子関連ペプチド |
研究概要 |
ペプチドホルモンなどを活発に産生しペプチド含量が高いラット内分泌系組織(下垂体、副腎、心房、甲状腺など)を対象に、過去2年間、分解を極小化し、血液成分など排除してペプチド画分を調製し、解析を行った。その結果、下垂体についてのみ、ペプチドホルモン前駆体に由来する有効なペプチド情報を入手できたので、さらに前葉と中後葉に分離し、それぞれについて解析を行った。本年度の研究では、下垂体両部位について再度2次元液体クロマトグラフィーを用いて徹底した分離、ペプチド構造解析を行い、プロオピオメラノコルチン前駆体のプロセシング様式について明確にすることができた。他の数種の前駆体タンパク質についても得られたペプチド情報に基づきプロセシング様式の検討を行った。 しかし、組織を用いたペプチド解析に基づくプロセシング様式の推定、予測には明らかな限界が認められたので、本年度の研究では内分泌組織由来の培養細胞モデル系として、カルシトニンなどを産生する甲状腺C細胞由来細胞株を用いて、ペプチドホルモン前駆体のプロセシング様式について検討した。種々のペプチド回収方法を検討した結果、エクソサイトーシス刺激を細胞に与えることにより、分泌顆粒内のペプチドホルモンを効率よく回収、解析することが可能となった。ペプチド画分は逆相系カートリッジによる迅速濃縮とゲルロ過により調製し、解析には液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析法を用いた。その結果、甲状腺C細胞が産生する主要なペプチドホルモンであるカルシトニン、カルシトニン遺伝子関連ペプチドに加えて、ソマトスタチン、ガストリン放出ペプチドなどについて前駆体タンパク質をカバーするペプチド群が同定され、従来の生化学、分子生物学的研究から判明しているプロセシング部位か確認できたので、対象を拡大してより詳細な検討を行った。
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