• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

東南アジア大陸部における土地利用変化のメカニズム-フィールドワークとRSの結合-

研究課題

研究課題/領域番号 18310160
研究機関京都大学

研究代表者

河野 泰之  京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (80183804)

研究分担者 柳澤 雅之  京都大学, 地域研究統合情報センター, 准教授 (80314269)
縄田 栄治  京都大学, 農学研究科, 教授 (30144348)
梅崎 昌裕  東京大学, 医学系研究科, 准教授 (30292725)
越智 士郎  近畿大学, 農学部, 准教授 (80251081)
キーワード東南アジア / 土地利用 / リモートセンシング / 環境保全 / 地理情報システム / 自給農業
研究概要

本研究は、東南アジア大陸部を対象として、土地をめぐる環境保全と貧困削減の二律背反という現状を、より長期的な土地利用のダイナミズムに位置づけることにより、環境保全と貧困削減が本来的にもつ相補的な関係の再構築を目指す。そのために、ミクロなレベル(例えば村レベル)を対象として、長期的な土地利用変化のパターンを明らかにしてその要因を分析するとともに、地域住民による生活・生業実践としての土地利用と環境保全や貧困削減などの政策プログラムが誘導しようとしている土地利用との整合性を検討する。
平成19年度は、カンボジアを対象地域に選定し、カンボジアの長期的な土地利用変化のパターンを抽出するために、空中写真や高精細人工衛星画像を収集・分析するとともに、土地利用の現状や履歴、社会経済史に関する現地調査を実施した。その成果を、平成18年度までの対象地域の長期的な土地利用変化のパターンと比較し、以下の点を明らかにした。
1)ミクロなレベルの土地利用は、戦争や政治体制・経済システムの転換などの国レベルの制度・政策に必ずしも支配されていない。それよりも、東南アジア大陸部というような、より大きな地域(region)レベルにおける資本主義・市場経済の浸透や統治制度の近代化などのより大きな社会経済変動の影響を強く受ける。これは地域住民の生活・生業転換が、一国単位の政治的なイベントではなく、地域住民レベルで共有される時代性に支配されていることを示唆している。
2)過去数十年において、環境保全と貧困削減の調和という観点から最も意味のある生活・生業転換は、農民が自給を放棄し始めたことである。自給農業からの離脱は、農民に作物選択や職業選択の自由をもたらすので、資源利用の観点からは両者の調和を容易にするが、資源管理主体の不明瞭化や弱体化を招いている。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] ラオスをとらえる視点2008

    • 著者名/発表者名
      広田勲、中西麻美、縄田栄治、河野泰之
    • 雑誌名

      横山智、落合雪野編 『ラオス農山村地域研究』(めこん)

      ページ: 13-44

  • [雑誌論文] 商品作物の導入と農山村の変容2008

    • 著者名/発表者名
      河野泰之、藤田幸一
    • 雑誌名

      横山智、落合雪野編 『ラオス農山村地域研究』(めこん)

      ページ: 395-429

  • [雑誌論文] 動かない森、変転する森-ラオスの森林の100年誌-2008

    • 著者名/発表者名
      河野泰之
    • 雑誌名

      秋道智彌、市川昌広編『東南アジアの森で何が起こっているか』(人文書院)

      ページ: 23-44

  • [雑誌論文] 東南ジア大陸部における焼畑と村落の変容2008

    • 著者名/発表者名
      広田勲、中西麻美、縄田栄治、河野泰之
    • 雑誌名

      C.ダニエルス(責任編集)『論集モンスーンアジアの生態史 第2巻 地域の生態史』(弘文堂) (掲載確定)

  • [雑誌論文] 東南アジア大陸部の民族移住と土地開拓2008

    • 著者名/発表者名
      富田晋介、河野泰之、小手川隆志、ベムリ・ムタヤ・チョーダリー
    • 雑誌名

      C.ダニエルス(責任編集)『論集モンスーンアジアの生態史 第2巻 地域の生態史』(弘文堂) (掲載確定)

  • [雑誌論文] 第6章 耕地の崩壊と東南アジアの農業2008

    • 著者名/発表者名
      縄田栄治
    • 雑誌名

      山末祐二 編『生物資源から考える21世紀の農学 第1巻作物生産の未来を拓く』(京都大学学術出版会)

      ページ: 153-188

  • [雑誌論文] 生態関連特集12008

    • 著者名/発表者名
      柳澤雅之
    • 雑誌名

      ベトナム社会文化研究会編『ベトナムの社会と文化』7(風響社)

      ページ: 159-245

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 熱帯農学におけるモデル・リモートセンシングデータの活用と現地調査の融合2007

    • 著者名/発表者名
      縄田栄治
    • 雑誌名

      熱帯農業 51(5)

      ページ: 209-215

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 東南アジア大陸部における農業・土地利用動態に関する研究2007

    • 著者名/発表者名
      縄田栄治
    • 雑誌名

      熱帯農業 51(5)

      ページ: 250-253

  • [雑誌論文] Improved Perinatal Health through Qualified Antenatal Care in Urban Phnom Penh, Cambodia.2007

    • 著者名/発表者名
      Mean-Heng NGY, Nakamura, K., Ohnishi, M., Kizuki, M., Suyama, S., Seino, K., Inose, T., Umezaki, M. Watanabe, M. and Takano, T.
    • 雑誌名

      Environmental Health and Preventive Medicine 12

      ページ: 193-201

    • 査読あり
  • [学会発表] 二時期の広域NDVIデータを用いた土地利用の変化と画像分画スケールに関する考察2008

    • 著者名/発表者名
      越智士郎
    • 学会等名
      第17回生研フォーラム
    • 発表場所
      東京大学生産技術研究所
    • 年月日
      2008-03-18
  • [学会発表] イコノス画像による土地利用判読2007

    • 著者名/発表者名
      越智士郎
    • 学会等名
      日本写真測量学会秋季学術講演会
    • 発表場所
      長岡産業交流会館
    • 年月日
      2007-10-30
  • [学会発表] 画像分画を利用した土地利用図の作成2007

    • 著者名/発表者名
      油谷哲靖, 越智士郎
    • 学会等名
      日本写真測量学会秋季学術講演会
    • 発表場所
      長岡産業交流会館
    • 年月日
      2007-10-30
  • [図書] 『論集モンスーンアジアの生態史 第1巻 生業の生態史』2008

    • 著者名/発表者名
      河野泰之(責任編集)
    • 出版者
      弘文堂(印刷中)
  • [図書] Thammasat, Manut lae Saphapweadlon (Nature, Humand and Environment)2007

    • 著者名/発表者名
      Bouahom, B., Kono, Y. and Nonaka, K. eds.
    • 総ページ数
      182
    • 出版者
      National Agriculture and Forestry Research Institute
  • [図書] 『ブタとサツマイモ:自然のなかに生きるしくみ』2007

    • 著者名/発表者名
      梅崎昌裕(編著)
    • 総ページ数
      119
    • 出版者
      小峰書店

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi