研究課題/領域番号 |
18310161
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
外川 昌彦 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 准教授 (70325207)
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研究分担者 |
田中 雅一 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (00188335)
小牧 幸代 高崎済大学, 地域政策学部, 講師 (20303901)
八木 祐子 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (70212272)
マハラジャン ケシャブル 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (60229599)
吉田 修 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (60231693)
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キーワード | 宗教的マイノリティ / イスラーム / ヒンドゥー / 仏教 / インド / パキスタン / バングラデシュ / スリランカ |
研究概要 |
本年度は、研究の2年目として、初年度の成果を踏まえた研究計画が実施された。特に、研究員の間での議論を深めつつ、共同研究者の個別の課題を具体化する形での、研究計画の作成に留意した。具体的には、南アジア諸国の各地に見られる宗教的マイノリティ問題についての個別事例を検討し、各究分担者の調査計画を、全体的な研究計画に盛り込んだ。また、将来の報告書の作成に向けた資料分析の方向性を検討し、それにしたがった現地での調査を実施した。 具体的には、田中は、スリランカへの調査を実施し、コロンボを中心にマイノリティ集団の組織を訪ねた。小牧は、南アジアにおけるイスラーム「聖者」および「聖遺物」をめぐる信仰に焦点をしぼり、バングラデシュにおけるイスラーム聖者の調査を実施した。八木は、ウッタル・プラデーシュ州ヴァラナシ市での調査を踏まえて、農村のイスラーム文化に関する資料の分析をおこなった。マハラジャンは、ネパールの宗教的マイノリティに関する資料収集を行い、特に上座部仏教徒について現地調査をおこなった。吉田は、インド・オリッサ州での調査を実施し、宗教的マイノリティ集団の現状を明らかにした。中谷は、東パキスタン時代のヒンドゥー・マイノリティに関する資料収集と分析をおこなった。外川は、バングラデシュのマイノリティ・ヒンドゥー社会の調査を行い、ヒンドゥー・ナショナリスト運動との比較を行った。 全体の研究会としては、特に2月23日に実施された、国際セミナーが特筆すべき成果である。これは、本研究会が中心となって企画し、インド・コルカタ市で開催され、この分野に関心のある、インド、及びバングラデシュの研究者に参加を呼びかけることで、学際的で地域横断的な、南アジア社会における宗教マイノリティ問題についての議論をおこなった。また、このセミナーでの報告書は、すでにプロシーディングスとしてまとめられ、最終的には専門的な出版物にまとめることが計画された。
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