研究課題/領域番号 |
18310164
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
後藤 浩子 法政大学, 経済学部, 助教授 (40328901)
|
研究分担者 |
齋藤 英里 武蔵野大学, 現代社会学部, 教授 (50248663)
高神 信一 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (30268239)
清水 由文 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (40132352)
坂本 優一郎 京都大学, 人文科学研究所, 助手 (40335237)
森 ありさ 日本大学, 文理学部, 助教授 (80349943)
|
キーワード | 西洋史 / 経済史 / 思想史 / 国際研究者交流 / アイルランド:ブリテン |
研究概要 |
本年度は、科研プロジェクトメンバーによる研究会を計8回開催するとともに、アイルランドより、9月にDavid Dickson教授、3月にL.M.Cullen教授を招聘し、公開講演会1回、セミナー3回、そして各メンバーが自分の研究成果に対してコメントやアドヴァイスを受けるワークショップ2回を開催した。 Dickson教授の招聘にあたり、4〜9月までの研究会では、ブリテンの帝国化の中でアイルランドはどのような位置を占め、どのような役割を果たしたのかという点を17世紀後半から19世紀にかけて段階的に検討した。7月には、齋藤と後藤が、この期のアイルランドを「コロニーと見なすのかアンシャン・レジームと見なすのか」という論点からDickson教授の研究成果を検討し、さらに9月には竹田が、毛織物とリネンに関するブリテンとの貿易協定締結過程から両国の戦略を析出する研究報告を行った。Dickson教授からは、ブリテンが大西洋経済の覇権をとるにつれての、アイルランドからのプレスビテリアンの大西洋進出、さらにはスペインを基盤としていたアイルランド商人層のカリブ海進出についての最新研究を紹介して頂き、本プロジェクトのテーマである地政学的空間の変容を意識したアイルランド史研究のアプローチについて知見を広めることができた。 10月以降は、L.M.Cullen教授を招聘してのセミナーに焦点を合わせ、対ヨーロッパとの関係におけるアイルランドの動向を探る研究会がなされた。Cullen教授は、17、18世紀のアイルランド社会経済史研究が専門であり、とりわけ、フランス・スペインといったヨーロッパ諸国へのアイルランド商人の移住と彼らのネットワーク形成についての歴史研究では第一人者であるため、セミナーにおいては、ヨーロッパのアイルランド人ディアスポラ研究のための多くの参考資料や文献を紹介して頂いた。
|