多角的なジェンダーの視点による正義概念の再構築と正義感覚への架橋をめざす研究

2008 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18310170
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: ジェンダー
• 研究機関: 立命館大学
• 研究代表者: 二宮 周平 立命館大学, 法学部, 教授 (40131726)
• 研究分担者: 松本 克美 立命館大学, 法務研究科, 教授 (40309084) ; 池内 靖子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (80121606) ; 中川 成美 立命館大学, 文学部, 教授 (70198034) ; 岡野 八代 立命館大学, 法学部, 教授 (70319482) ; 姫岡 とし子 筑波大学, 人文科学研究所, 教授 (80206581) ; 江川 ひかり 立命館大学, 文学部, 教授 (70319490) ; 坂本 利子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (90331115) ; 秋林 こずえ 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (90377010) ; 徳久 恭子 立命館大学, 法学部, 准教授 (60440997) ; 大塚 陽子 立命館大学, 政策科学部, 教授 (30368021) ; 内藤 葉子 近畿大学, 経営学部, 講師 (70440998)
• 研究期間 (年度): 2006 – 2008
• キーワード: ジェンダー / 正義 / 経済格差

研究概要

国際的なジェンダー研究の構築に努め、その内容として、芸術において表現されてきた女性たちの20世紀の帝国主義経験や植民地主義経験に関する研究、その延長線上にあると思われるグローバリゼーションのもとで生み出されるディアスポラ(離散)の研究、労働市場・現場における女性労働のジェンダー化、女性の移動、労働をめぐる女性の表象といった問題をめぐって、日本における先行研究においてはあまり焦点化されてこなかった、正義概念から検討を加え、公私二元論や研究分野のもつ領域性が女性の問題を不可視化していることを、明らかにした。

研究成果

• [雑誌論文] シンポジウム「公私二元論の再考」に参加して (2008)
  • 著者名/発表者名: 姫岡とし子
  • 雑誌名: 国際言語文化研究 第19巻4号 ページ: 237-241
• [雑誌論文] 尊厳と二十四条の可能性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 岡野八代
  • 雑誌名: 法の理論 27 ページ: 53-75
• [雑誌論文] アーレントにおける国家暴力批判--暴力批判から、主権国家批判へ (2007)
  • 著者名/発表者名: 岡野八代
  • 雑誌名: 政治思想研究 第7号 ページ: 4-30
• [雑誌論文] フェミニズムの新しい波--責任論の観点から-- (2007)
  • 著者名/発表者名: 岡野八代
  • 雑誌名: 女性・戦争・人権 第10号 ページ: 66-95
• [雑誌論文] 日本における法曹養成と臨床法学教育の現状と課題-研究者の視点から (2007)
  • 著者名/発表者名: 松本克美
  • 雑誌名: 法律時報 79巻2号 ページ: 49-54
• [雑誌論文] 後発的顕在化型不法行為と民法724条後段の20年期間の起算点-規範的損害概念の提唱および公訴時効との異同について- (2007)
  • 著者名/発表者名: 松本克美
  • 雑誌名: 立命館法学 310号 ページ: 421-454
• [雑誌論文] 認知制度は誰のためにあるのか~認知推定方法説の試み (2007)
  • 著者名/発表者名: 二宮周平
  • 雑誌名: 立命館法学 310号 ページ: 301-351
• [雑誌論文] 民法772条と戸籍のない子 (2007)
  • 著者名/発表者名: 二宮周平
  • 雑誌名: 戸籍時報 609号 ページ: 22-39
• [雑誌論文] 夫婦別姓(選択的夫婦別氏制度) (2007)
  • 著者名/発表者名: 二宮周平
  • 雑誌名: ジュリスト 1336号 ページ: 10-18
• [雑誌論文] 『糸地獄』における大綱的語りと身体性--「母殺し」をこえて (2006)
  • 著者名/発表者名: 池内靖子
  • 雑誌名: 『シアターアーツ』28<小特集 寺山修司と岸田理生>論考(3)(発行 : AITC[国際演劇評論家協会]日本センター、発売 : 晩成書房) 秋号 ページ: 58-63
• [雑誌論文] ジェンダーの政治に賭けられているもの (2006)
  • 著者名/発表者名: 岡野八代
  • 雑誌名: 法律時報 78巻1号 ページ: 60-76
• [雑誌論文] 承認の政治に賭けられているもの--開放か権利の平等か (2006)
  • 著者名/発表者名: 岡野八代
  • 雑誌名: 法社会学会 64 ページ: 60-76
• [雑誌論文] 「暴力」の主体から「非-暴力」のエイジェンシーへ--世界の軍事化にフェミニズムは対抗しうるか? (2006)
  • 著者名/発表者名: 岡野八代
  • 雑誌名: 女性学 13 ページ: 27-39
• [雑誌論文] キャンパス・セクシャル・ハラスメント訴訟と大学の教育研究配備義務--大学と加害教員の責任の併存及び大学の処分の相当性をめぐって-- (2006)
  • 著者名/発表者名: 松本克美
  • 雑誌名: 立命館法学 300号 ページ: 453-488
• [雑誌論文] セクシャル・ハラスメント-立法・裁判同行の外観と労働および教育研究現場での防止責任の焦点 (2006)
  • 著者名/発表者名: 松本克美
  • 雑誌名: 日本の科学者 41巻7号 ページ: 10-15
• [雑誌論文] 1996年『民法の一部を改正する法律案要綱』とその後の状況 (2006)
  • 著者名/発表者名: 二宮周平
  • 雑誌名: 法律時報 78巻11号 ページ: 19-24
• [雑誌論文] 人工生殖と親子関係 (2006)
  • 著者名/発表者名: 二宮周平
  • 雑誌名: 戸籍時報 607号 ページ: 11-34
• [雑誌論文] 軍事主義に抵抗する女性たち--『東アジア・米国・プエルト・リコ軍事主義を許さない女性ネットワーク』(日本アメリカ史学会2006年) (2006)
  • 著者名/発表者名: 秋林こずえ
  • 雑誌名: アメリカ史研究 No.29 ページ: 89-103
• [図書] 女優の誕生と終焉パフォーマンスとジェンダー (2008)
  • 著者名/発表者名: 池内靖子
  • 総ページ数: 351
  • 出版者: 平凡社
• [図書] ヨーロッパの家族史 (2008)
  • 著者名/発表者名: 姫岡とし子
  • 総ページ数: 90
  • 出版者: 山川出版社
• [図書] ICU21世紀COEシリーズ第7巻アジアから視るジェンダー, ジェンダーと人間保障-アジアから(田中かず子編) (2008)
  • 著者名/発表者名: 秋林こずえ
  • 総ページ数: 55-69
  • 出版者: 風行社
• [図書] 家族のための総合政策-日独比較の視点から, 「日独における家族の歴史的変化と家族政策」「新しい家族政策と「家族のための地域同盟」I ドイツの新しい家族政策」(本沢巳代子、ベルント・フォン・マデイル編) (2007)
  • 著者名/発表者名: 姫岡とし子
  • 総ページ数: 3-28
  • 出版者: 信山社
• [図書] 家族と法 (2007)
  • 著者名/発表者名: 二宮周平
  • 総ページ数: 241
  • 出版者: 岩波新書
• [図書] 悪と正義の政治理論, 平和を求める--安全保障からケアへ--(太田・谷澤編) (2007)
  • 著者名/発表者名: 岡野八代
  • 総ページ数: 214-241
  • 出版者: ナカニシヤ出版
• [図書] テレサ・ハッキョン・チャ--異教の身体 (2006)
  • 著者名/発表者名: 池内靖子、西成彦編
  • 総ページ数: 286
  • 出版者: 人文書院
• [図書] 新版戸籍と人権 (2006)
  • 著者名/発表者名: 二宮周平
  • 総ページ数: 106
  • 出版者: 解放出版社
• [備考] *特集「ケアと労働--移動する女たち」『言語文化研究』20巻4号(2009年2月発行予定)岡野八代「はじめに」鈴木伸枝「フィリピン人の移動・ケア労働・アイデンティティ--移動労働政策、ジェンダー化、自己実現のはざまで--」上野加代子「抵抗のストラティジー」朴宣映「韓国における女性非正規労働の現況と「非正規職法」が女性労働に及ぼす影響」
• [備考] *特集国際シンポジウム「公私二元論の再考」『言語文化研究』19巻4号(2008年3月)岡野八代「はじめに」 : 129-130頁マリア・ヤンソン(中川志保子訳)「母親業を仕事から切り離す戦略」 : 131-182頁。チャリダポン・ソングサンファン(高橋慎一訳)「タクシンの女たち--私的領域の女性と公的権力--」 : 183-212頁アイリーン・トン(金城美幸訳)「地域通貨運動--女性の家内労働の承認に向けて?--」 : 213-236頁。姫岡とし子「シンポジウム「公私二元論の再考」に参加して」 : 237-241頁。
• [備考] 冬季企画シンポジウム*「映画・女性・権力--ジェンダーと視覚性」『言語文化研究』18巻2号(2006年11月)池内靖子「はじめに」 : 2頁。竹村和子「マゾヒスティック・エイジェンシーの(不)可能性」 : 3-13頁。斉藤綾子「境界、映画的身体、女性」 : 15-30頁。池内靖子「アイデンティティ(脱)構築の迷路」 : 31-43。田崎英明、李静和「コメントおよび質疑応答」 : 45-57頁。