研究課題
本研究の主要な目的は、倫理・法・自由、三者の関係を問い直すことである。初年度は、相互の連絡や研究会を通して、各研究者がそれぞれの分野で、基礎的な作業を纏めた。その業績については11.「研究発表」の項を参照されたい。関根は、ヘブライズムの驚きにみちた他者、神との出会い(愛の磁場)を起点にした人間の行為・歴史の倫理的意味の探求が、神の律法の下で行われたことの必然性を検討した。三嶋は、自然(法則)の自由な探求を出発点としたギリシアの理性哲学が、法・国家を対象とする実践哲学に変化していく経緯を理論的に再検討した。そして下城は、個人主義的な行為観・自由観・法則観を定礎したカント哲学をそのアトミズム的本質から批判したヘーゲルの『法哲学』について考察し、価値認識が社会的・歴史的文脈に依存し、法的ないし超越的正義、倫理の理法、国家、神等に不可避に関わるとしたヘーゲルの論理について検討した。以上の検討を基に、西洋思想史・倫理学における「法」概念を整理し直し批判的に検討することが次年度の続いての課題となる。相互の研究発表や、海外での学会参加等によって、それを遂行していきたい。
すべて 2007 2006
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青山学院大学文学部紀要 第48号
ページ: 111-116
横浜国大教育人間科学部紀要 第9集
ページ: 1-41
P. Hanson, B. Janowski, M. Welker(Hg.), Biblische Theologie, Altes Testament und Mderne 14
ページ: 27-29
信徒の友 2006-8
ページ: 16-19
横浜国大学長裁量経費プロジェクト「差異と共生-境界線を問い直す」公開講座報告書
ページ: 54-55