研究概要 |
本年度も前2年間にわたる研究成果を踏まえて、各自、それぞれの分担する研究課題のさらなる遂行に努めた。(1)研究代表者の関根は、ヘブライズムの倫理と現代世界が直面する諸問題の関わりについて考察を進めるとともに、前年度のリュブリアナにおける国際旧約学会での招待講演の蓄積も含め、その成果を各種研究集会における講演を通して広く還元した。また2008年夏には『旧約聖書と哲学現代の問いの中の一神教』を岩波書店より刊行、高い評価を得た。(2)研究分担者の三嶋は、古代ギリシアにおける行為規範としてのノモス(倫理と法)の動揺とその帰結について、ソクラテスからプラトン、小ソクラテス学派アリストテレスをテクストとして検証し、その成果を学会発表並びに論文および共著の形で公にした。(3)研究分担者の下城は、へーゲルとヘルダーリンのギリシア・ヘブライ思想の理解と、現代倫理学における自由論を中心に研究を進めた。前者については特にr法哲学』の成立背景に注目し、その成果を学部紀要論文連載するとともに、後者についても共著の形でその歳果を発表した。(4)2009年3月には、スイス,バーゼル大学名誉教授のvon Ungern-Sternberg教授を招いて,古代ギリシアとイスラエルの比較に関する講演会と研究会を開催した。
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