本研究「知識・行為・制度をめぐる「因果性」と「志向性」の哲学的解明」は、「因果性と「志向性」という、生成に関する伝統的な二つの原理について、知識や認識に関わる理論的側面、行為や自由・責任につながる実践的側面、そして制度や規範・法に関わる社会的側面の、三つのアスペクトからアプローチしていき、そのことによって説明、理解、合理化、正当化、というおよそ人間の活動であるならいかなる場面にも当てはまる普遍的な事態の構造を解明し、多様な学問領域の橋渡しをするという哲学固有の課題をはたしていこうと目論むものである。最終的には三つのアスペクトそれぞれを通じて応用倫理的な問題場面への原理的・哲学的提言へとつなげていくことを目的とする。
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