医療倫理学の方法論における<原則>と<物語>の統合についての研究

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 18320006
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 哲学・倫理学
• 研究機関: 新潟大学
• 研究代表者: 宮坂 道夫 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30282619)
• 研究期間 (年度): 2006 – 2009
• キーワード: 医療倫理 / 生命倫理 / 方法論 / 倫理原則 / 物語

研究概要

医療倫理学の方法論として、原則論と物語論の有機的な統合を試みることが、本研究の目的であった。主な研究成果として、まず英語圏での医療倫理学における物語論についての主要な論点を整理した。その上で、医療倫理学の統合的方法の要件が規範性、物語性、社会構成性の3つであることを明らかにした。統合的方法の実践的展開のために、ライフヒストリーのレビュー、複数の物語の併存の把握、普遍的な問いと個別的な問いの定立を提案した。

研究成果

• [雑誌論文] Punishing Paternalism:An Ethical Analysis of Japan's Leprosy Control Policy (2009)
  • 著者名/発表者名: Michio Miyasaka
  • 雑誌名: Eubios Journal of Asian and International Bioethics 19(4) ページ: 103-107
  • 査読あり
• [雑誌論文] W.ラフルーア・G. ベーメ(編集), 島薗進編著「悪夢の医療史-人体実験・軍事技術・先端生命科学」(書評特集「社会と医療をめぐる現実と歴史」) (2009)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 雑誌名: 保健医療社会学論集 20(1)(招待論文) ページ: 6-8
• [雑誌論文] 日常臨床における医療倫理の実践 (2009)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫, 坂井さゆり, 山内春夫
  • 雑誌名: 日本外科学会雑誌 110(1)(招待論文) ページ: 28-31
• [雑誌論文] 医療と危害-ハンセン病政策に見る「よかれと思って」の加害 (2008)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 雑誌名: 作業療法ジャーナル(招待論文) 42(3) ページ: 203-208
• [雑誌論文] 欧州におけるホスピス・緩和ケアの概念と倫理的問題 (2008)
  • 著者名/発表者名: 坂井さゆり, 宮坂道夫
  • 雑誌名: 生命倫理 18(1) ページ: 66-74
  • 査読あり
• [雑誌論文] ホスピス/緩和ケア概念と実践についての国際比較研究-英国・アイルランドのホスピス訪問を通して (2008)
  • 著者名/発表者名: 坂井さゆり, 宮坂道夫, 柳原清子
  • 雑誌名: 新潟大学医学部保健学科紀要 9(1) ページ: 271-281
• [雑誌論文] 私たちの生命倫理学は、なぜハンセン病問題を知らずにきたか (2007)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 雑誌名: 生命倫理 17(1) ページ: 93-99
  • 査読あり
• [雑誌論文] 難病患者と「尊厳死問題」-死についての自己による事前判断の倫理的妥当性への疑問- (2007)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 雑誌名: 医学哲学医学倫理 25 ページ: 137-141
  • 査読あり
• [雑誌論文] 重監房とは何だったのか(ハンセン病市民学会・分科会B報告) (2007)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫, 谺雄二, 佐川修, 鈴木幸次, 田中和子, 斉藤悟
  • 雑誌名: ハンセン病市民学会年報 ページ: 59-105
• [雑誌論文] 「胎児標本」問題について考えるために-生命倫理学の視点から- (2006)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 雑誌名: ハンセン病市民学会年報2006 ページ: 127-140
  • 査読あり
• [雑誌論文] 医療, 規範, 物語-医療倫理学の方法論をめぐって- (2006)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 雑誌名: 法社会学(招待論文) 64 ページ: 116-129
• [学会発表] 医学研究とその臨床応用の倫理 (2009)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 学会等名: 第47回日本人工臓器学会大会
  • 発表場所: 新潟市, 朱鷺メッセ
  • 年月日: 20091112-20091114
• [学会発表] 物語倫理と討議倫理-臨床倫理の方法論としての批判的考察- (2009)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 学会等名: 日本医学哲学倫理学会第28回大会
  • 発表場所: 大津市, 滋賀医科大学
  • 年月日: 20091031-20091101
• [学会発表] Three fundamental elements of narrative approach to bioethics:normativity, narrativity, and social constructivity (2009)
  • 著者名/発表者名: Michio Miyasaka
  • 学会等名: the 2009 ASBH (The American Society for Bioethics and Humanities) Annual Meeting
  • 発表場所: the Hyatt Regency Capitol Hill in Washington, DC, Washington, DC, USA
  • 年月日: 20091015-20091018
• [学会発表] 病気と差別-ハンセン病と新潟水俣病の比較考察- (2009)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫, 坂井さゆり, 山内春夫
  • 学会等名: ハンセン病市民学会第5回総会・交流集会
  • 発表場所: 鹿屋市, 鹿屋市中央公民館
  • 年月日: 20090509-20090510
• [学会発表] 新潟水俣病患者を支援し続ける人々の物語-スライド・フィルムを使った「ナラティヴ生成」インタビューの試み- (2008)
  • 著者名/発表者名: 坂井さゆり, 酒井菜津子, 宮坂道夫
  • 学会等名: 日本質的心理学会 第5回大会
  • 発表場所: つくば市, 筑波大学
  • 年月日: 20081129-20081130
• [学会発表] 想起のプロセスにおける「言いっぱなし聞きっぱなし」の語りの検討 (2008)
  • 著者名/発表者名: 酒井菜津子, 坂上香, 坂井さゆり, 宮坂道夫
  • 学会等名: 日本質的心理学会 第5回大会
  • 発表場所: つくば市, 筑波大学
  • 年月日: 20081129-20081130
• [学会発表] Neuroethics:A Welfarlst Perspective on Brain-Machine Interfaces in the Context of Japanese Health Care Culture (2008)
  • 著者名/発表者名: Michio Miyasaka
  • 学会等名: Asian Bioethics Association Ninth Asian Bioethics Conference
  • 発表場所: Hotel University Sunan Kalijaga, Yogyakarta, Indonesia
  • 年月日: 20081103-20081107
• [学会発表] ドナー家族にとっての「脳死」と「臓器提供」 (2008)
  • 著者名/発表者名: 若菜健介、酒井菜津子、坂井さゆり、宮坂道夫
  • 学会等名: 第14回日本臨床死生学会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 20080906-20090907
• [学会発表] ライフストーリーのなかで考える「献体」 (2008)
  • 著者名/発表者名: 坂上香、酒井菜津子、坂井さゆり、宮坂道夫
  • 学会等名: 第14回日本臨床死生学会
  • 発表場所: 札幌
  • 年月日: 20080906-20080907
• [学会発表] 認知症高齢者や意思表示の困難な高齢者に対する緩和ケア (2008)
  • 著者名/発表者名: 坂井さゆり、宮坂道夫
  • 学会等名: 第13回日本緩和医療学会学術大会
  • 発表場所: 静岡
  • 年月日: 20080704-20080705
• [学会発表] 重症心身障害児(者)のケアの方針の決定についての倫理的問題の検討 (2007)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 学会等名: 第19回日本生命倫理学会年次大会
  • 発表場所: 東京, 大正大学
  • 年月日: 20071110-20071111
• [学会発表] 祖母・母・娘のライフストーリーから考える関係性と倫理-病いと老いと言葉をめぐって- (2007)
  • 著者名/発表者名: 山崎節子, 宮坂道夫
  • 学会等名: 日本質的心理学会 第4回大会
  • 発表場所: 奈良市, 奈良女子大学
  • 年月日: 20070929-20070930
• [学会発表] Who is the identified, and who is the abstract? -Proximity, indifference and public policy (2007)
  • 著者名/発表者名: Michio Miyasaka
  • 学会等名: XXIth European Conference on Philosophy of Medicine and Health Care Ethics
  • 発表場所: Cardiff University, Cardiff, United Kingdom
  • 年月日: 20070815-20070818
• [学会発表] Neuroscience and basic medico-ethical principles, Fifth Interdisciplinary Conference Communication (2007)
  • 著者名/発表者名: Michio Miyasaka
  • 学会等名: Medicine & Ethics
  • 発表場所: University of Lugano, Lugano, Switzerland
  • 年月日: 20070628-20070630
• [学会発表] ヨーロッパの緩和ケアの現状と課題-緩和ケア看護の構築に向けて- (2007)
  • 著者名/発表者名: 坂井さゆり, 宮坂道夫
  • 学会等名: 日本質的心理学会 第4回大会
  • 発表場所: 岡山市, 岡山コンベンションセンター
  • 年月日: 20070622-20070623
• [学会発表] Autonomy, Dignity, and Compassion: Dying with Dignity in the Context of Japanese Culture, Eighth Asian Bioethics Conference Biotechnology (2007)
  • 著者名/発表者名: Michio Miyasaka
  • 学会等名: Culture, and Human Values in Asia and Beyond
  • 発表場所: Bangkok, Century Park Hotel, Thailand
  • 年月日: 20070319-20070323
• [学会発表] 私たちの生命倫理学はなぜハンセン病問題を知らずにきたか (2006)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 学会等名: 日本生命倫理学会第18回年次大会(ワークショップI「ハンセン病と生命倫理-これまでとこれから-」)
  • 発表場所: 岡山
  • 年月日: 20061111-20061112
• [学会発表] グローバリゼーションと生命倫理 (2006)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 学会等名: 日本生命倫理学会第18回年次大会
  • 発表場所: 岡山
  • 年月日: 20061111-20061112
• [学会発表] 難病, 尊厳死, ニヒリズム-日本の難病患者が"世界"に示している普遍的な論点 (2006)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 学会等名: 医学哲学倫理学会第25回大会
  • 発表場所: 豊中市, 大阪大学
  • 年月日: 20061028-20061029
• [学会発表] 生命倫理の立場から胎児標本問題の底に何があるかを考える (2006)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 学会等名: ハンセン病市民学会シンポジウム「胎児標本問題から考える検証の必要性」
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2006-11-12
• [図書] ナラティヴ・アプローチ(生命倫理とナラティヴ・アプローチ) (2009)
  • 著者名/発表者名: 野口裕二編
  • 総ページ数: 177-202
  • 出版者: 勁草書房
• [図書] ハンセン病 重監房の記録 (2006)
  • 著者名/発表者名: 宮坂道夫
  • 総ページ数: 192
  • 出版者: 集英社
• [図書] ナラティヴと医療(医療倫理の方法としての物語論) (2006)
  • 著者名/発表者名: 江口重幸, 斉藤清二, 野村直樹編
  • 総ページ数: 82-92
  • 出版者: 金剛出版
• [備考] ホームページ
  • URL: http://www.clg.niigata-u.ac.jp/~miyasaka