研究課題/領域番号 |
18320014
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三浦 秀一 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80190586)
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研究分担者 |
熊本 崇 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00153354)
大野 晃嗣 東北大学, 大学院・文学研究科, 講師 (50396412)
渡辺 健哉 東北大学, 大学院・文学研究科, 助教 (60419984)
鶴成 久章 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20294845)
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キーワード | 科挙 / 中国哲学 / 東洋史 / 登科録 / 策論 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、応用科挙史学研究会における共同研究を中心に据えつつ、各種のデータ作成とメンバー各人の個別研究とを交えることで、研究課題の進展をめざした。応用科挙史学研究会としては、9月28日開催の第4回研究集会(於東北大学川北合同棟)は「金元時代の科挙から見た中心と周縁」と題し、渡辺健哉が「高麗人の見た元の大都-高麗出身進士の史料をてがかりに」との、飯山知保が「女真・モンゴル支配下華北における科挙受験者数について」との研究発表をおこなった。高麗人が如何なる観点から首都北京を捉えたのかが科挙史料からでも推測できること、多様な史料を丁寧に読み込むことで科挙受験者の総数がわかることを、それぞれ明らかにした。12月25日開催の第5回研究集会(於東北大学文科系総合研究棟)は「科挙研究の新地平」と題し、大野晃嗣が「明代の進士名簿:「同年歯録」の研究史とその課題」との、李兵が「科挙開放:書院発展的主要推動力」との研究発表をおこなった。「同年歯録」を活用することでこれまでにない詳細かつ正確な分析が可能であること、科挙と書院とが密接な関係を長年保ちつづけたことを、それぞれ明らかにした。なお渡辺と大野とは研究分担者であり、飯山は日本学術振興会特別研究員、李兵は中国湖南大学岳麓書院副教授であって、いずれも科挙研究に関する気鋭の若手研究者である。 データの作成としては、これまた昨年度に引き続き、科挙に関わる研究論文を網羅的に蒐集している。個別研究としては、鶴成久章による「明代の科挙制度と朱子学」「嘉靖二年会試の策題における陽明学批判」などや、三浦秀一による「学生呉澄与南宋末葉的江西書院」がある。三浦論文は、上記李兵氏が勤める湖南大学の紀要に掲載された。
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