研究課題
(1)研究分担者と研究協力者の参加を得て、研究課題に関する研究会を2回開催した(10月、2月)。本研究ではインドの宗教的空間を(1)概念的空間、(2)造形的空間、(3)建築的空間、(4)実践的空間、(5)歴史的空間という5つのカテゴリーに分けて研究を進めているが、今年度は(3)建築的空間、(4)実践的空間、(5)歴史的空間について、集中的な検討を行った。研究会では横地優子(ヒンドゥー教の女神信仰における巡礼)、引田弘道(ヒンドゥー儀礼における方位観念)、榊和良(イスラム教の聖空間)、矢口直道(南インドの寺院建築)、山下博司(ヒンドゥー寺院の儀礼)、菊谷竜太(密教の実践)、井田克之(ヒンドゥー・タントリズムの実践)の7氏が、それぞれの分野においてインドの宗教的空間に対するアプローチを行い、それをもとに出席者が討議を行った。これらの研究会には仏教学、ヒンドゥー哲学、密教、イスラム教などの他分野の研究者の参加も得て、学際的な内容の活発な討論が繰り広げられた。(2)金沢大学総合メディア基盤センターと金沢大学附属図書館の協力を得て、インドを中心とする宗教的空間にかんする画像データを、インターネット上でリポジトリとして公開するためのシステム作りを継続的にすすめ、一部を試験的に公開した。今年度の改良点として、従来の主題、作者などの文字情報以外に、Google Earthとリンクさせて、地理情報からの検索を容易にした。(3)インドの宗教的空間の実例として重視しているマンダラについて、アジア全域を視野に入れた包括的な解説書を出版した。インドの宗教儀礼、日本の陰陽道におけるインド的空間の受容と変容にかんする研究を発表した。
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