研究課題/領域番号 |
18320017
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
芳村 博実 龍谷大学, 文学部, 教授 (00201062)
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研究分担者 |
荒牧 典俊 京都光華大学, 真宗文化研究所, 所長 (30027536)
桂 紹隆 龍谷大学, 文学部, 教授 (50097903)
早島 理 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60108272)
能仁 正顕 龍谷大学, 文学部, 教授 (70290210)
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キーワード | 大乗仏説論 / 大乗荘厳経論 / 瑜伽行唯識学派 / 思想史研究 / 仏典校訂・翻訳 |
研究概要 |
本研究の目的は、初期鍮伽行唯識学派の代表的な瑜書である『大乗荘厳経瑜』のコアとなる部分の梵文テキストの写本にもとづく批判的校訂と翻訳、訳注を完成し、大乗経典登場以来の究極的な課題である「大乗仏説瑜」を様々な視点から解明しようとする点にある。既に、同書第1章の校訂、翻訳、訳注を完成しているが、本年度はさらに第9章の校訂、翻訳を完成した。同章は「転依」「仏性」「法界」など瑜伽行唯識学派および大乗仏教の基本的概念を詳細に論じる、『大乗荘厳経瑜』でも最も重要な章である。さらに、2007年9月より、ハンブルク大学のシュミットハウゼン教授の門下生であり、『瑜伽師地論』の「サマーヒタ・ブーミ」の研究で博士号を取得しているMartin Delhey博士が定例の研究会に参加するようになったので、すでに長尾雅人博士が主要部分の英訳を公表しておられ、マイトリ・ムールティ博士の独訳も存在する『大乗荘厳経論』第17章の校訂、翻訳を開始した。本研究プロジェクトの最終年である2008年度には同章の研究を完了する予定である. 本研究の研究成果の一部は、2007年12月広州の中山大学(Sun Yat Sen University)で開催された瑜伽行唯識仏教に関する国際学会に、荒牧典俊、桂紹隆、早島理の3名が参加し、発表した。同学会は、おそらく中華人民共和国における仏教研究の再興を象徴するものである。同国の若い唯識研究者が古典文献の解読を続けていることを目の当たりにした。また、北米で活躍する若手中国人研究者と交流することもできた。なお、研究協力者である藤田祥道は『解深密経』に見られる「大乗仏説論」の論考を公表した。(『インド学チベット学研究』第11号)
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