研究課題/領域番号 |
18320018
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山中 弘 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (40201842)
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研究分担者 |
木村 勝彦 長崎国際大学, 大学院, 教授 (10195357)
木村 武史 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (00294611)
笹尾 典代 恵泉女学園大学, 人文学部, 教授 (60308294)
松井 圭介 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (60302353)
寺石 悦章 四日市大学, 総合政策学部, 准教授 (00340414)
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キーワード | 世界遺産 / ツーリズム / 宗教的記憶 / 巡礼 / 観光 / 根獅子町 / カクレキリシタン / 長崎カトリック教会群 |
研究概要 |
本年度は、次年度の研究会、調査を踏まえて、次の2つのことを中心に研究を進めた。(1)平戸市、根獅子町、出羽三山における調査。(2)昨年と同様に、研究分担者以外の研究者を招いて研究会の実施。以下、順次、説明していく。(1)一作年2月の長崎カトリック群の世界遺産暫定リスト入りを受けて、長崎県の各自治体は、教会群を観光資源に仕立てるべき積極的な取り組みを始め、「ながさき巡礼」という新たな観光戦略を策定し、そのモニター調査を着実に実施している。そこで、それを推進している県の観光課への聞き取り調査を行った。一方、カトリックに改宗せずに古い「カクレ」の信仰を持続した平戸市根獅子町は、その伝統を世界遺産の指定の動きの中に積極的に位置づける取り組みを行っている。具体的には、彼らの殉教した先祖が埋葬されていると信じちれていた場所の発掘調査への立ち会い、さらに他の地域のカクレキリシタンの末裔たちを集めて開催された「カクレ・キリシタン・サミット」での聞き取り等をおこなった。これとは別に、長崎教会群との比較を意図して、同じく世界遺産の暫定リスト入りを目指した出羽三山の調査もおこなった。(2)ツーリズムと宗教に関する知見をさらに広げるために、こうしたテーマに関心を持つ研究分担者以外の研究者を招待して研究会を行った。その具体的なテーマとしては、(1)四国巡礼、(2)新宗教的な教祖による聖地指定の問題、(3)「製陶事業者と日系ランドオペレーターの活動からみるベトナム・バチャン村観光」、(4)「バングラデシュにおける聖地と観光開発一聖者ラロン・シャハとその聖者廟を事例として」、(5)「サンティアゴ巡礼考--比較巡礼試論」、(6)「黒人運動におけるアフリカ観光:ヨルバ.のオリシャ崇拝がもたらす大西洋横断的な文化交渉」、である。
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