3年の研究期間の第3年度にあたる平成20年度は、第2年度に開催された国際研究集会(日本学術振興会採択「ヘレニズム時代におけるモーセ五書本文伝承史国際研究集会」、2007年8月29日から31日まで国際文化会館で開催)の成果を英文と日本語訳で出版する準備をすることを最重要課題とした。研究代表者守屋彰夫と連携研究者秦剛平は、その成果をライデン(オランダ)のブリル(Brill)社から英文で出版するための編集作業に従事する傍ら、2008年8月26日にライデンでBrill社の編集者と出版交渉を行い、2009年秋に出版することで合意した。日本語訳に関しては京都大学出版会からの出版が決まっており、翻訳が完了している。旧約聖書の冒頭の「モーセ五書」本文伝承史に課題を限定したとはいえ、紀元前後の多岐にわたる厖大な文献を限られた時間の中でこなすことは困難だったが、内外の多くの研究者の協力を得て一定の成果を公表できる目途がついてきたところである。現在の課題の達成と同時に、平成21年度以降に計画されている預言書・歴史書研究への目標を定める準備作業を行なった。
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