研究課題/領域番号 |
18320021
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鎌田 東二 京都大学, こころの未来研究センター, 教授 (00233924)
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研究分担者 |
原田 憲一 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (90134147)
梅原 賢一郎 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (60232906)
藤井 秀雪 京都造形芸術大学, ものづくり総合研究センター, 主任研究員 (70368059)
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キーワード | モノ学 / 感覚価値 / ものづくり / 認知 / 創造力 |
研究概要 |
最終年度である本年度は、本科研の総括として『モノ学・感覚価値研究第四号』報告書を兼ねる形で刊行した。本科研の成果は毎年3月に当該度の研究成果報告を兼ねて『モノ学・感覚価値研究』を刊行してきた。また2009年10月には、そこに掲載された40篇の論考の中から14篇を選んで加筆修正を加え、「第一部モノと気配とモノガタリ」、「第二部モノと情緒とワザ」、「第三部モノと装置と知覚」という三部仕立てに再構成して編集し、『モノ学の冒険』(鎌田東二編、創元社)として刊行した。さらに、それに連動して、4年間の研究を踏まえて、研究者とアーティスがコラボレーションして30点余の作品をつくり、「物からモノへ~科学・宗教・芸術が切り結ぶモノの気配の生態学展」と題して京都大学総合博物館で展覧会を行った。また3つの国際ンポジウム「もの派とモノ学-ものからモノヘ」「モノと琴とシャーマニズム」「多層的な感覚価値モデル」と4つのセミナー、3つのワークショップ、1つのイベントを開催した。本科研を通して、一貫して、日本語の「モノ」には物質的次元、人間的次元、霊的次元があるという問題提起をしてきたが、その三層一体的な非二元論的思考の持っ創造性や可能性をさまざまな角度から問いかけ、探究し、表現した。本研究の特徴はアーティストと研究者が協働作業をしてきた点にある。学際的とか超領域的とか文理融合とかと言われてきた異質な領域間の結合に「芸術」あるいは「芸術創造」という媒介項を入れると、そこに具体的な接続点が見出せ、座標軸を定めることができるという見通しが得られたことも成果の一つであるといえる。
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