研究課題/領域番号 |
18320022
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
竹沢 尚一郎 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 教授 (10183063)
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研究分担者 |
新免 光比呂 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 助教授 (60260056)
林 淳 愛知学院大学, 文学部, 教授 (90156456)
山中 弘 筑波大学, 人文社会科学研究科, 教授 (40201842)
深澤 英隆 一橋大学, 社会科学研究科, 教授 (30208912)
臼杵 陽 日本女子大学, 文学部, 教授 (40203525)
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キーワード | ファシズム / 宗教研究 / 1930年代 / 西ヨーロッパ / 日本 / フランス / ドイツ |
研究概要 |
本年は、本研究の最初の年であるため、3度の研究会を開催して、問題意識の共有をはかった。 本年度に研究会で取り上げたのは、フランス、ドイツ、ルーマニア、日本である。これにより、いわゆるファシズム国家であったドイツ、ルーマニア、日本においては、ファシズムに向かう社会・政治的傾向と、宗教・宗教研究・フォークロア研究・歴史学等とが密接な関係にあったことが明らかにされた。宗教や宗教研究といってもいろいろな傾向や潮流があるので、さらに細かい検討が必要であること、そしてそれらの潮流と戦後の学的動向との関係をさらに詰めて論じていくことが、課題として示された。 一方、こうした政治と宗教および宗教研究とのあいだの関係は、非ファシズム国家であるフランスやイギリスにおいては観察されていないこと、そのため別な問題枠組の構築が必要であることが、研究会を通じて明らかにされた。研究代表者である竹沢は、1930年代のフランスにおいて、文明の概念が植民地主義と結びついて展開されたこと、文明はファシズム運動の対抗概念であったこと、ドイツにおいて文明に対抗して出された文化概念とファシズム運動とのあいだに関係があるのではないか、との問題を提起した。これについては、今後さらに議論していくことが必要であることが確認されたに止まった。 ファシズム運動、植民地主義、国民国家、宗教研究、フォークロア研究、神話研究、歴史学、人類学など、問題をさらに拡大しながら研究を進めることが確認された。
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