研究課題/領域番号 |
18320027
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長岡 龍作 東北大学, 大学院文学研究科, 教授 (70189108)
|
研究分担者 |
泉 武夫 東北大学, 大学院文学研究科, 教授 (40168274)
井上 大樹 東北大学, 大学院文学研究科, 助手 (80422070)
|
キーワード | 仏教美術 / 奉為 / 造像碑 / 邑義 / 舎利荘厳 / 仁寿舎利塔 / 地宮 / 追善造像 |
研究概要 |
本年度は、2006年9月に二週間の中国陝西省・河南省の調査旅行を遂行した。調査地は以下の通りである。 碑林博物館、陜西省歴史博物館、陜西考古研究所、青龍寺(以上西安市)、慶山寺(西安市臨潼区)、法門寺(扶鳳県)、慈善寺石窟、九成宮遺跡(麟遊県)、彬県大仏寺(彬県)、葯王山石窟、耀県博物館、神徳寺遺址(以上耀県)、龍門石窟、古墓博物館(以上洛陽市)、河南省博物院(鄭州)、相国寺、鉄塔(開封) この調査において、本研究のテーマに沿う、以下の二項目において成果を得た 1)中国の邑義造像・石窟造像 西安碑林博物館、葯王山碑林、河南省博物院においては、展示中の多く造像碑を調査し、「奉為」目的で造像された作例の祈願内容と主題・表現について多くの資料を得た。 2)中国隋唐期の舎利荘厳 ・隋文帝仁寿舎利塔の重要遺例である、耀県神徳寺塔については、耀県博物館において出土遺物を調査し、また寺址を踏査した。特に神徳寺址の立地を確認できたことは、仁寿舎利塔が景観と有意な関係を持っていることを確認できた点できわめて有益だった。 ・麟游県では、慈善寺石窟、九成宮といういずれも文帝と仁寿舎利塔に深く関わる遺跡を調査し、この事業の起点としての意味を再考した。 ・法門寺と慶山寺では、唐代舎利荘厳の最重要な遺例二件について詳細な調査をおこなった。特に、慶山寺では、地宮そのものの構造に重要な意味があることを見出し、きわめて有益な資料を得た。 3)日本国内の調査 畿内と九州を中心として、平安時代の寺院と仏像に対する調査をおこなった。造像の動機として「奉為」観念が重要な意味を持っていることを再確認した。
|