研究課題/領域番号 |
18320029
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
竹内 順一 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (10301821)
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研究分担者 |
稲葉 政満 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 教授 (50135183)
横溝 廣子 東京芸術大学, 大学美術館, 准教授 (90205229)
薩摩 雅登 東京芸術大学, 大学美術館, 教授 (80272657)
古田 亮 東京芸術大学, 大学美術館, 准教授 (20259998)
佐藤 真実子 東京芸術大学, 大学美術館, 学芸研究員 (00401498)
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キーワード | 博物館学 / 音源 / 細菌除去 / 作品保存 / 情報公開 / 蝋管(wax cylinder) / 蓄音機 / 録音技術 |
研究概要 |
1. 蝋管の保存体制に関して (1)元興寺文化財研究所から蝋管の移送:蝋管に付着していたものの同定結果が黴ではなかったため、蝋管の洗浄作業・蝋管に付着している埃類の除去を行った。また、蝋管収容棚の燵蒸作業も行った。 (2)収蔵環境の見直し:今まで使用していた木製棚による保管から、中性紙製の蝋管収納箱での保管に変更した。また、温度20度、湿度55%に設定した収蔵場所を選ぶ等、従来の収蔵環境の見直しを行った。 (3)蝋管の再生と音源のデジタル化:蝋管の再生にあたり、現段階では、蝋管式蓄音器よりも針の圧力が弱く、蝋管に負担の掛りにくいと言われているアーキフォン(仏製)による再生を試みた。 2. 蝋管の基礎調査に関して (1)国内実地調査 昨年度に行った蝋管所蔵施設に対する実地調査(蝋管の状態や保管環境、収録内容、再生用蓄音機の調査及び修復に関する情報)をもとに国内所蔵館を訪問した。調査先は、以下の通り。江戸東京博物館(墨田区)、電気の史料館(横浜市)、オーディオテクニカ(町田市)、三光堂創始者親類・松本淳雄氏宅(目黒区)、大阪歴史博物館(大阪市)、林静雄氏コレクション(静岡市)。 (2)海外実地調査 蝋管所蔵施設に対する実地調査を行い、蝋管の状態や保管環境、収録内容、再生用蓄音機の調査及び修復に関する情報を収集し、実地調査を行った。調査先は、アメリカのUCSB(CA)、Menlo Park Edison博物館(NJ)、West Orange Edison博物館(NJ)、議会図書館(DC)、ドイツの民族学博物館(Berlin)、Austria科学アカデミー録音資料アーカイブ(Wien)、イギリスのMr. Dominic Combeコレクション(Cobham)、科学博物館(London)、大英図書館(London)、フランスのMr. Henri Chamouxコレクション(Cachan)。 (3)明治時代の新聞記事調査 日本における蓄音機と蝋管の普及と社会現象を知るために、当時の情報として最有力である新聞記事の調査を行った。調査中の新聞は20紙、612記事におよぶ。
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