• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

江戸時代における<書画情報>の総合的研究II-『古画備考』を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 18320033
研究機関武蔵野美術大学

研究代表者

玉蟲 敏子  武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (10339541)

研究分担者 相澤 正彦  成城大学, 文芸学部, 教授 (10159262)
大久保 純一  人間文化研究機構, 国立歴史民俗博物館・研究部, 准教授 (90176842)
田島 達也  京都市立芸術大学, 美術学部, 講師 (40291992)
並木 誠士  京都工芸繊維大学, 大学院・工芸科学研究科, 教授 (50211446)
黒田 泰三  (財)出光美術館, 学芸課, 課長 (60392883)
キーワード古画備考 / 書画 / 江戸時代 / 情報 / 江戸 / 古画趣味 / 美術史 / 備忘録
研究概要

本研究は,代表者1名,分担者5名,協力者6名の合計12名から成る研究組織で推進しており,平成19年度は,全員出席の定例研究会を2回,定例見学会を2回,臨時見学会を1回実施した。第一回研究会は,美術史学会東支部例会の研究発表と兼ねて開催し,発表者の研究代表者が前年度調査した狩野伊川院・晴川院筆「和漢流書画巻」(ボストン美術館)およびフェノロサ手稿「印譜集」(仮称,ハーヴァード大学燕京図書館)について,『古画備考』と緊密な接点のある作品および資料であることを口頭で示した。とくに後者は,原本から失われた巻20の原本の復元に役立つ資料であることが確認され,より踏み込んだ研究は,担当メンバーによって今年度深められていくことだろう。
定例見学会は二回とも,"昭和の古画備考"として知られる美術史家田中一松氏の残した厖大な備忘録の調査を行った。大正時代末から昭和にかけて活躍した田中一松氏は,国の文化財保護審議会や東京国立文化財研究所などの要職を歴任し,日本の美術史のあらゆるジャンル・時代に通暁した巨人である。この資料は主に調査時のメモや最初に学術雑誌に投稿した解説や論文の自筆原稿から成るもので,画家の印譜や署名の記録のみならず,時に達者な縮図をも交え,まさに『古画備考』の研究・記述方式が近代に成立した美術史学においても作品調査の際の基礎となっていることが分かるのである。江戸後期に起こった古画古物趣味の幕府アカデミズムからの総括といえる本書の価値が明確になったといえるだろう。本研究は,同題目研究の第II期に位置づけられており,第I期から引き続いて本文の校合作業,言及作品の調査・確認を行っている。後者はなかなか遅々として進まないが,前者の校合作業については原本の本文を中心に進めることが改めて確認され,前年度に撮影した活字本の底本である東京国立博物館所蔵の『古画備考』写本のカラーマイクロフィルムを校合作業に容易いようにディジタル処理したことも本年度のインフラの整備事業として特筆されるものである。次年度は第I期,第II期合わせて6年間に掛かる同題目研究の目の最終年度であり,研究会メンバーによる論考の準備や総纏めの作業が執り行われていく予定である。

研究成果

(23件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 学会発表 図書

  • [雑誌論文] 狩野探幽筆花鳥図屏風2008

    • 著者名/発表者名
      玉蟲 敏子
    • 雑誌名

      国華 1348号

      ページ: 26-32

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 土佐光吉と大画面絵画2008

    • 著者名/発表者名
      相澤 正彦
    • 雑誌名

      美術研究 394号

      ページ: 43-70

  • [雑誌論文] 山本素軒の百木図屏風2008

    • 著者名/発表者名
      五十嵐 公一
    • 雑誌名

      塵界 19

      ページ: 3-14

  • [雑誌論文] 鍬形〓斎「江戸一目図屏風」の基底2008

    • 著者名/発表者名
      井田 太郎
    • 雑誌名

      国文学研究(早稲田大学国文学会) 153・154合併号

      ページ: 26-36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 鏡堂覚円賛白衣観音図2008

    • 著者名/発表者名
      畑 靖紀
    • 雑誌名

      国華 1347

      ページ: 20-23

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sakai Hoitsu and Art Ownership2007

    • 著者名/発表者名
      Satoko Tamamushi
    • 雑誌名

      Acquisition:Art and Ownership in Edo-Period Japan

      ページ: 129-148

  • [雑誌論文] 美人画に見る京美人2007

    • 著者名/発表者名
      田島 達也
    • 雑誌名

      美術フォーラム21 15号

      ページ: 100-113

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 相国寺と美術第3章江戸時代後期禅僧と画家たち2007

    • 著者名/発表者名
      田島 達也
    • 雑誌名

      美術フォーラム21 15号

      ページ: 19-21

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本美術史の展示-東京国立博物館平常展示から見えてくるもの-2007

    • 著者名/発表者名
      並木 誠士
    • 雑誌名

      芸術展示の現象学

      ページ: 51-72

  • [雑誌論文] 職人蓋絵2007

    • 著者名/発表者名
      黒田 泰三
    • 雑誌名

      国華 1342

      ページ: 18-27

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 乾山の一記録2007

    • 著者名/発表者名
      五十嵐 公一
    • 雑誌名

      乾山の芸術と光琳展図録

      ページ: 185-187

  • [雑誌論文] 四条派生成のとき江戸後期京都画壇草創期の作品をめぐって2007

    • 著者名/発表者名
      野口 剛
    • 雑誌名

      美術フォーラム21 15号

      ページ: 96-99

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 定家詠十二ケ月和歌花鳥図と乾山2007

    • 著者名/発表者名
      野口 剛
    • 雑誌名

      乾山の芸術と光琳展図録

      ページ: 78-180

  • [雑誌論文] 南蛮屏風小考-館蔵品の特色ある主題をめぐって-2007

    • 著者名/発表者名
      畑 靖紀
    • 雑誌名

      東風西声(九州国立博物館紀要) 3号

      ページ: 18-29

  • [学会発表] 富士参詣曼薬羅と風俗画の成立-狩野元信をめぐって-2007

    • 著者名/発表者名
      並木 誠士
    • 学会等名
      日本風俗史学会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      2007-10-28
  • [学会発表] 中近世における韃靼人図の受容-個人蔵本の紹介と位置づけ-2007

    • 著者名/発表者名
      並木 誠士
    • 学会等名
      意匠学会
    • 発表場所
      京都精華大学
    • 年月日
      2007-09-08
  • [学会発表] 江戸後期狩野家の日本絵画観-朝岡興禎編著『古画備考』と狩野伊川院・晴川院筆「和漢流書画巻」(米国・ボストン美術館)をめぐって-2007

    • 著者名/発表者名
      玉蟲 敏子
    • 学会等名
      美術史学会東支部例会
    • 発表場所
      成城大学
    • 年月日
      2007-07-28
  • [図書] 南蛮屏風集成2008

    • 著者名/発表者名
      坂本 満、成澤 勝嗣、泉 万里、日高 薫
    • 総ページ数
      403
    • 出版者
      中央公論美術出版
  • [図書] 関東水墨画2007

    • 著者名/発表者名
      相澤 正彦、橋本 真司
    • 総ページ数
      534
    • 出版者
      国書刊行会
  • [図書] 広重と浮世絵風景画2007

    • 著者名/発表者名
      大久保 純一
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      東京大学出版会
  • [図書] 狩野光信の時代2007

    • 著者名/発表者名
      黒田 泰三
    • 総ページ数
      258
    • 出版者
      中央公論美術出版
  • [図書] 江戸の遊戯-貝合せ・かるた・すごろく-2007

    • 著者名/発表者名
      並木 誠士
    • 総ページ数
      111
    • 出版者
      青幻舎
  • [図書] すぐわかる女性画家の魅力2007

    • 著者名/発表者名
      千足 伸行、野地 耕一郎、吉田 恵理、家田 奈穂
    • 総ページ数
      133
    • 出版者
      東京美術

URL: 

公開日: 2010-02-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi