研究課題/領域番号 |
18320035
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
神林 恒道 立命館大学, 大学院先端総合学術研究科, 教授 (80089862)
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研究分担者 |
大橋 良介 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30093165)
中川 真 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (40135637)
米谷 優 東亜大学, デザイン学部, 教授 (10341249)
萱 のり子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (70314440)
仲間 裕子 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70268150)
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キーワード | アジア / パフォーミング・アート / 美学・芸術学 / 近代 / 風景画 / 山水画 / 京都 / 現代絵画 |
研究概要 |
本年度、科学研究費補助金交付が決定してから、研究活動の期間は実質的に半年間に限られる。そのなかで報告すべき最大の研究実績は、本研究チームの核をなしている「アジア芸術学会Asian Society of Arts」の第四回大会がインドネシアのバリ島で開催されたことであり、神林をはじめとして研究分担者(上倉庸敬、三木順子、中川真、青木孝夫、仲間裕子、大久保恭子)が参加した。神林は大会で「アジア美学の可能性」と題する基調講演をおこなった。大会のテーマは、アジアにおけるパフォーミング・アートについてであり、現地でのケチャ、ガムラン、バロン劇などの実演を含めて、日本、韓国、台湾、トルコの各国の研究者による民俗芸能(能狂言、パンソリ、京劇、旋舞)が紹介され、活発な討議が交わされた。このことはバリ島の報道機関でも大きく取り上げられ、大きな反響をよんだ。次年度は、立命館大学で第五回大会が開催されることが決定しており、さらに中国の武漢、台湾の台北などからも大会開催希望の申し込みがなされており、「アジア的美意識とは何か」という研究は、全アジア的関心を呼び起こしつつある。 また研究分担者によるアジアの美学・芸術学に関わる研究の出版計画も順調に進行しつつある。そのうちのいくつかの成果として、神林恒道著『日本近代「美学」の誕生』(講談社学術文庫)、神林恒道編著『京の美学者たち』(晃洋書房)、神林恒道+仲間裕子編著訳『ドイツ・ロマン派風景画論』(三元社)が挙げられる。ちなみに「風景画論」は西洋的風景観と東洋的山水観が、比較芸術学的視点から論じられている。ほかに現在翻訳が進行中のものとして、陳望衡著『中国古典美学史』、金英那著『Modern Korean Painting』の翻訳がある。なお研究分担者たちの個別研究も展開中であり、そのいくつかは、次年度以降、逐次各種学会での研究発表、あるいは出版というかたちで報告されることになっている。
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