研究課題/領域番号 |
18320045
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
中川 成美 立命館大学, 文学部, 教授 (70198034)
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研究分担者 |
中村 三春 山形大学, 人文学部, 助教授 (80164341)
西 成彦 立命館大学, 大学院先端総合学術研究科, 教授 (40172621)
木村 一信 立命館大学, 文学部, 教授 (20105365)
菅 聡子 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 助教授 (70224871)
花崎 育代 立命館大学, 文学部, 教授 (00259186)
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キーワード | 文化理論 / 文学 / カルチュラル・スタディーズ / ナショナル・アイデンティティ / ポストコロニアル / 映画 / アニメ / ジェンダー |
研究概要 |
2006年度は2回のシンポジウムと9回の研究会(立命館大学国際言語文化研究所と共催)をおこない、海外の日本文学・文化研究者情報のデータベース化を進展させ、公開に向けた整備を行った。 シンポジウム第1回(2006年7月29日〜30日)は、ゲスト・スピーカーを迎えて2つのラウンド・テーブル「Figuralityと近代意識の発展」(チャールズ・シロー・イノウエ氏、タフツ大学)、「表象文化研究と国際交流」(マイケル・ボーダッシュ氏、UCLA)をもった。ともに、今日の視覚性と日本文学・文化にかかわる研究理論の方法論的転回を模索するきわめて重要なテーマである。イノウエ氏の指摘する「Figurality」という概念は、視覚的情報を言語の代替的機能を果たすものとして「読んで」きたこれまでの文学研究者側からのアプローチを完全にくつがえすものであり、発展可能性に満ちた分析枠組みの提示であった。また後者は、90年代に先進諸国における文化的同調性が強まって以降、持続的な交流形態の維持が失われてきているのではないかという逆説的現象の指摘であった。こうした理論的研究を支える基盤的情報交換システムを整備する我々の活動の必要性を強く再認識することとなった。これらは、「日本近代文学」第75集(2006年11月15日)展望欄に改題の上報告された。シンポジウム第2回では「<外地の日本語文学>を越えて」(西成彦氏、立命館大学)、「表象のパラドックス-記号・意味・強度-」(中村三春氏、山形大学)、「Recent Trends in Japanese Studies in Australia」(Vera Mackie氏、メルボルン大学)、「タイにおける日本語・日本文学研究の現況」(Namthip Methasate氏、チュラルンコン大学)と4本の発表を組み、多岐にわたる議論を展開することができた。
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